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犬が星見た―ロシア旅行 (中公文庫)
 
 

犬が星見た―ロシア旅行 (中公文庫) [文庫]

武田 百合子
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

生涯最後の旅を予感している夫武田泰淳とその友人竹内好のロシアへの旅に同行して、星に驚く犬のような心と天真爛漫な目とをもって、旅中の出来事・風物を克明に伸びやかにつづり、二人の文学者の旅の肖像を、屈託ない穏やかさでとらえる紀行。 読売文学賞受賞作。(本書を文庫化した中公文庫版のカバーコピーより) 本書は、昭和五十三年二月より十二月まで、雑誌「海」に連載されたものを単行本化したものである。 旅中の食事が克明に記録され(例:后一時、昼食<ホテル食堂>パン・シャシャリク・トマトときゅうり<紫蘇がきざんでかかっている>・おじや<羊肉入り。トマトケチャップの味>)ている。 何分ソ蓮時代のことゆえいずれも質素なメニューではあるが、なんとなく食べてみたくなるから妙である。

登録情報

  • 文庫: 340ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (1982/01)
  • ISBN-10: 4122008948
  • ISBN-13: 978-4122008946
  • 発売日: 1982/01
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 122,611位 (本のベストセラーを見る)
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淡々とした日記風の叙述でありながら、さりげないユーモアとペーソス、そしてドラマすら秘めた愉快な本である。著者は夫である武田泰淳と竹内好に連れ立ってソ連邦時代のロシア旅行に参加する。そこでこの二人の有名人が見せる人となりが興味を引くかもしれない。時は昭和44年(執筆は昭和53年)だから今から見ればおよそ30年の昔である。始まって間もない外国への観光旅行の実際はどうだったかも興味を引くだろう。インツーリストによって取り仕切られるロシア旅行はとりわけ不便だった。横浜から船でナホトカへ、ナホトカからハバロフスクまでは鉄道、そこからは空路でイルクーツク、次いでウズベキスタン、グルジアの諸都市をへてヤルタ、レニングラード、そしてモスクワへという20日間の長丁場である。

百合子夫人にとっては毎日見なれている大作家や大思想家よりは一人で参加した、飛びぬけて年上の錢高老人の言動に惹かれるものがあったようだ。観光地で何を見学したかについてはあまり期待しない方がいい。彼女の関心は日々の食事、そして夫君と竹内老人の福祉、つまり、ご機嫌である。初めての外国旅行でロシア語のカタコトを駆使して走り回るのはもっぱら彼女の役なのだ。しかしおそらく彼女がひそかに楽しみとしたものは何よりも異国で初めて見る人々の生活ぶりである。これに比べれば時おり姿を見せる2人の同伴者は年老いた弥次喜多さながらである。それは日本男性の典型的な国際的適応性と変わるところがない。夫君は彼女に向って「おいポチ、楽しいか」などと声をかける。彼女は中央アジアの都市を振り返って「前世というものがあるなら、そのとき、ここで暮らしていたのではないかという気がした」と思う。彼女は日々楽しかったのである。そしてそのような彼女の観察と言動が過不足なく読者に伝わってくる。
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私の好きな人 2005/10/31
ロシア旅行の前に紀行文でも読んで少しは勉強しようと思い、新聞の読書欄でたまたま見かけた「犬が星見た―ロシア旅行」を手に入れた。読み始めてすぐに、これはいわゆる現地情報を仕入れるための旅行記としてはあまり役に立たないことに気が付いた。まるでおとぎ話のような旅行記なのである。非日常がくつろいだ日常のように翻訳され、ツアーでたまたま居合わせた人々は、家族のようにやさしい眼差しで描かれている。行く先々に形成される著者の私的空間が、読者の周囲に立ち現れ、沙漠のような異郷が身近な場所であるかのようで、その土地に親しみを覚えてしまうのだ。

長く旅行をしていると、普通の(こんな辺境を旅行していること自体は、普通とはいえないのだが)旅行者と違うレベルで旅行している人にごく稀に出会う。彼らの特徴は、いつもそうしているように朝食を取り、人々と関わり、子どもをたしなめたりすることである。見かけは大抵の場合、人種的に旅行者と判るが、振る舞いが現地に馴染んでいるのである。現地に馴染んでいるような、人々に愛されているような旅行者は大勢いる。そのような旅行者と彼らは違う次元であるということを念押ししておきたい。旅行慣れしているとか、何年も海外生活をしていたとか、文化人類学に興味があるというのも、ほとんど彼らの性質とは関係ないのである。

今までどのように周囲と関わりながら生きてきたのか?そのような人に対して、私はとても惹かれてしまう。武田百合子とはそういう人だ。

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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 小雪
旅仲間とのやりとりが、そのまま素直に描かれていて、思わず「くすり」とする部分も。百合子さんに頼りっぱなしのご主人、個性豊かな「銭高老人」等、今の時代にこんな旅が出来るのだろうか…?また読み返したいです。
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... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: 小谷野敦
可愛い女房と道中日常日記
旅行記と思うと大きく失望します。 富士日記に見られる夫泰淳氏との日常生活が、中央アジアで、はたまた、ロシアの大地で繰り広げられます。... 続きを読む
投稿日: 17か月前 投稿者: gehararigo
きらきら
武田百合子さんが日記として書いた文章を、後年発表したという本作品。
ということは、公開予定なく書いた文章ということですよね。... 続きを読む
投稿日: 19か月前 投稿者: heidi
一生大事にするつもりの本です
初めて富士日記を読んで、武田百合子にすっかりやられました。
なんて面白い本だろう。夢中になってすぐ読破してしまいました。... 続きを読む
投稿日: 2010/2/19 投稿者: 猫座布団
旅する人を観察した旅行記
この人は「素」が、ものすっごいおもしろい。
自由気まま、そのくせ周りの人間に気をくばいつつ、しっかり彼らを「観察」している(笑)。... 続きを読む
投稿日: 2009/10/17 投稿者: ごん
素直な心の美しさを味わう佳品
物見遊山大名旅行である。日本人お得意のパックツアーのはしりであろう。有閑階級がちょっとした冒険気分に浸れる豪勢な「遠足」である。現代よりもはるかに海外旅行が難しか... 続きを読む
投稿日: 2005/7/10 投稿者: kewpie
オー ネッ○ 「あなたにぴったりの、、、」
 かわいい人ですね、この女性。... 続きを読む
投稿日: 2004/1/21 投稿者: デラックス・メケメケ
旅行記として読みました。
武田百合子さんという人の、抜群のセンスが表れてます。こういう女性になりたいなぁ。。。
ユーモアと茶目っ気とやさしさがあふれてる!... 続きを読む
投稿日: 2003/11/4 投稿者: tiuka
成人の女性が少女に還るとき
"§-\3§...é¢"¨' ̄... 続きを読む
投稿日: 2003/2/14 投稿者: thunder
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