製品開発や研究の業務を通じて特許を初めとする知的財産法に関心を持ち、勉強を始める人が少なからず存在する。
勉強の成果を発明や特許活用に役立てることを目的にする者、或いは弁理士試験への挑戦を考える者も居るだろう。
しかし誰しも悩むのが何から手をつけるかということであろう。
特許法と名の付く書籍にあたってみても、殆どが法学者の著作によるものであり、理科系出身者が最初から容易に理解できるものは稀少である。
弁理士試験の予備校では初学者にも噛み砕いた説明を受けられるが、費用・時間面で折り合いがつかない場合もあろう。
この本の著作者は、弁理士かつ製造メーカーの社長という珍しい立場の方であり、日本のメーカーであれば必ずや遭遇するであろう知的財産に関する諸問題が外国特許を含めて幅広くかつ実例を交えて具体的に取り上げられている。
本書は、企業の発明者や知的財産管理担当者に対しては、業務全体の中での自己の業務の位置付けの理解に資するし、或いは勉強の幅を広げてゆくための羅針盤の役割をも果たすだろう。
弁理士試験の受験生においては、最終的には条文及び各法域の基本書の理解が必要ではあるが、発明が生まれてから、国内外特許庁で審査され、登録されて、その後ライセンス等を経て全世界的に活用される各場面につき、本書に沿い実例をイメージしながら学習することにより、知的財産諸法そして各主要法文の存在意義、関連する問題点が真に理解できるであろう。