人の死なないミステリ、Qシリーズの姉妹編です。
冒頭から葉山、小笠原、そして莉子と登場し、
いつものように展開するので、Qの読者にもすんなり入り込めます。
この著者お得意の、既存の読者にも新規の読者にも読ませるという
工夫は今回も健在なので、もちろんQを読んでいない人にも大丈夫です。
莉子は瀬戸内からロジカル・シンキングを学んでいて、
「理由を一つに絞れ」と教わりました。フリーディスカッションのように
たくさんの案を出すのはダメとも教わっていました。
絢奈のラテラル・シンキングはそれと対照的で、
根拠がなくとも自由な発想で思いつきます。水平思考はどちらかと言えば
詐欺師とか犯人のほうの思考なのですが、それを身につけているからこその
「ひらめきの小悪魔」です。
根拠がないのにどうやって犯人を落とすのか…そこで彼女の斬新なワザが
冴えます。本来、ロジック重視の推理小説において、絢奈の謎解きは
非常に斬新でワクワクさせられます。Qのノリはビブリア等模倣も出てきてますが
アルファの斬新さは、ちょっと他ではお目にかかれないと思います。
絢奈、壱条、能登という新たなキャラも魅力的です。とにかく面白い。夢中になって楽しめました。