「特攻」というと、爆弾を積んだ戦闘機で、敵艦に突っ込む…戦争時代の日本人の多くもそう考えていて、真実は知らされていなかった。
だから、現代に暮らす私も、ほぼその通りと思ってきた。
「回天」とか「菊水」とか、幾つか名称?は聞いたことがあっても、方法の異なる特攻のひとつだと知らなかった。
本の表紙に使われた少年の笑顔の写真は、あまりにも若く、この本を読んで、特攻作戦の始まりや、様々な特攻の方法、戦法を知るにつれて、私の笑顔が失われた。
出撃前に爆弾のチェックをする隊員、作戦が成功し黒い煙をあげたアメリカの艦の写真の数々、空で迎撃されて微塵と散る戦闘機…そういう写真たちと一緒のページに書かれた文章は、とてもよくわかる説明であるとともに、わかるからこその、むごたらしさや切なさを、私に投げかけてきた。
写真だけでなく(多く掲載されている)、様々な数値(出撃数はもちろん、使用された軍機や特攻の種類、敵艦の沈没・損傷…)は、ある程度わかっている数字であり、訓練で、戦地で、また生き残って捕虜になった人たちまでは正確に把握できていない。
きっと現代の男性すら、あまり読みたくないものなのかもしれないが、女の私は、「神風」という鉢巻きを巻いて、特効機を製造する女性たちの写真が、しばらく目に焼き付けられた。
最後に著者は、「特攻を強いるような時代が来ると思いたくない」と書いている。
そんな時代が来ないようにするには、この期間(時代)を、過ぎ去って忘れてゆく時代にしたくないと思う。
地球に暮らす人間が、戦争で死なず、傷つかず、怯えることのない、そんな時代が来なくてはならない。