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特攻からの生還―知られざる特攻隊員の記録 (光人社NF文庫)
 
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特攻からの生還―知られざる特攻隊員の記録 (光人社NF文庫) [文庫]

鈴木 勘次
5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

彼らは、悩み、悶え、日々の猛訓練を通して更なる自己をみつめ、「一機一艦」を屠るも日本に勝利のないことを、よく理解していた。それでも、外からみれば敢然と出撃していく。「針のムシロ」に座らせられたような生活と環境。基地の周辺での純情物語―「特攻死」の体験者が自ら描く感動のノンフィクション。

内容(「MARC」データベースより)

あなたは国のために本当に死ねますか? ペアと共に敵空母に突入、九死に一生を得た爆撃機「銀河」の機長が語る、痛恨の特攻隊員秘話。特攻隊員とは一体どんな人間で、何を考えていたのかが明らかに。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 230ページ
  • 出版社: 光人社 (2010/2/28)
  • ISBN-10: 4769826370
  • ISBN-13: 978-4769826378
  • 発売日: 2010/2/28
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
著者は、昭和20年4月17日、2人の部下とともに銀河に乗り、たった1機で特攻出撃をし、みごと敵空母に突入するも、一人だけ生き残ったという体験を持つ方である。
特攻には志願しながらも、突入の瞬間まで続くことになる生死の懊悩だけでなく、特攻出撃に対する疑念、国家の行く末、戦死していった同期生や戦友への思い、恋人への思いなど、様々な思いが入り乱れて描かれ、著者ご自身、当時の苦しみが再来している中でこの本を執筆されたのだろうと思わせる文が続く。そのため、正直少し読みにくいと感じた部分があるのだが、このあたり、もう少し編集者の努力があっても良かったのかもしれない。
圧巻は、残り3分の一くらいから、いよいよ出撃を迎えるというところからの記述である。出撃の朝の模様から、結果的にたった1機での出撃、日本本土との別れ、敵戦闘機群の猛攻をかいくぐり、敵艦船からの艦砲射撃を受けながら見事突入。その間の、機内での3人の会話なども描かれ、想像や創作ではない特攻隊員の最後をうかがい知ることができる。
著者は、一人だけ生き残ってしまったこと、死に切れず俘虜の辱めを受けたことなどが、いまだに心の傷となってご自分を責めておられるようであるが、このような体験を記録し、世に出していただいたことに感謝したい。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
この本は、鈴木氏が自身と仲間の記録として、1977年にマグブロス出版から自費出版的にだし、海軍関係者などに配った「虚しき挽歌」という本を、語尾やカタカナ表記などを修正して、題名を変えて出した本です。飾らずにそのまま記録したという感じです。多くのことを期待して読むと裏切られるかも知れませんが、特攻待機の時の心の葛藤や敵艦に突入のときの感情を表現した部分は貴重な体験をした人でなくてはわからないものだと思います。またこの作品は、森本忠夫氏著の「特攻」に数多く引用されています。彼らがどんな心情だったのかを少しでも知りたいと思う人にはお勧めです。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫|Amazonが確認した購入
一般的に特攻隊の生き残りとは、出撃待機のまま終戦を迎えたか、出撃したものの発動機不調や会敵せず引き返して再び出撃する機会のないまま終戦に到った者を言う。しかし、実際に出撃、敵艦に突入し、しかも敵空母に体当たりして、更に生還した例は著者一人以外に見当たらない。奇蹟としか言いようがない。

筆者の存在は森本忠夫氏の名著『特攻―外道の統率と人間の条件』に紹介されているので知っていたが、本人の文章に触れるのは初めてであった。前言や序論にあたる部分は大変に難解晦渋であり、文意は通じてないのだが、落ち着いて前後を当たりつつ読み進めれば、特攻を巡る、胸をえぐるような著者の悲憤が今なお満ち満ちているのを感じて慄然としてしまう。

悪化した戦局下に不条理な特攻を強制され(著者は特攻隊編入命令を受けている)、現世に強い執着を残したまま突入した戦友たちの怨念を代弁するかのような文章には、一言一句に深い苦しみと憎悪を感じる。著者の中では、敵艦に突入したまま未だに戦いは続いているのであろう。

中盤以降の文章は無駄な修飾語が除かれ(別稿なのであろうかと思う程)、当時の搭乗員の気質や生活が良く描写されている。特に特攻待機中の日々は、二十歳前後の搭乗員たちが、儚い恋をして、家族や夢を遺しながら、いつ死刑宣告に等しい出撃命令を受けるのかわからないままに過ごす様子が伝えられる。迫り来る死に懊悩し、自分が死んでも敗けると解っている戦争を指導する上層部への憎悪が綴られ、出撃前夜まで、無謀な特攻に対する怨念、現世への断ち難い未練に苛まれつつも、出撃の朝には全てを諦めて宿舎を後にする。『耐え難い』までの戦友の憐憫の眼に見送られて、つい昨日戦友が特攻出撃したのを見送った場所から今度は自分たちがたった一機で飛び立って行く…

今に伝えられる沢山の特攻隊美談が、いかに表面的な凛々しさのみに彩られているか、また特攻隊員に選ばれた一青年が、いかに確実な死への出撃命令を出されるまで、いかに悶え苦しんで前途を国に殉じて行くか、その真実の姿を伝えている。確かに文章は拙い部分がある。しかし、著者は実際に特攻隊員として出撃し、敵艦に突入したのであり、この突入までの貴重な証言は真摯に受け止めるべきである。文中には沢山の著者の同期の搭乗員達の名前が挙がっている。その一人一人に、家族や夢や前途があったのであり、彼等は他に誰一人生還せず、その心の叫びを我々に伝える事が出来ないのであるから。

印象的な部分を引用する。
一、戦友の出撃を見送る際、風防に収まった姿が納棺された様に思えた際の情景
『機は二度と戻らぬ旅路の遥か彼方へ遠ざかっていく。空を行く棺桶(は;評者捕捉)戦闘機の護衛もなく、とむらいもなく、自らの屍を愛機とともに海へ納めにいく』

二、特攻隊員ではない上官から『たるんどる!消耗品の屑めが!』と罵倒された際の怒りの心中。
『われわれ特攻隊員は、まず人間としての誇りをもっていた。人間の屑が特攻隊員になるのではないのだ。』
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