中野昭慶本に続き、川北紘一氏への半生インタビューがついに単行本化されました。
撮影技師として特殊技術課に入るも、その後しばらくは光学撮影係に転属になったというあたり、東宝特撮ファンにはお馴染みの経歴ですが、そのキャリアの中で編集や演出の面白さに目覚めていき、後の特技監督を担う素地が形成されていったという経緯が、ご本人の自負心に満ちた語り口で記述されていて、とても楽しく読めました。「男の仕事ぶりはこうでなくっちゃ!」という憧れの姿を垣間見た思いです。
正直言って、スピード感とリズムを重視した川北ゴジラ演出は、ともすると重量感、巨大感に乏しく、円谷ゴジラや中野ゴジラに比べて、いまいち好きになれなかったのですが、ご本人なりの満足感やプライドに裏打ちされた映像だったのだと知れば、また違った見方ができるような気がします。平成ゴジラシリーズを急に見直したくなってきました。
川北氏こそが最後の特技監督、我々を楽しませてくれてきた『東宝特撮』は、今や名実ともに完全に消滅してしまい、今後ゴジラが復活するとしても、所詮は平板なオールCG映画になってしまうのですな。そのことを改めて認識されられた一冊です。
話は変わりますが、今後、中野昭慶ワークスの写真集を是非出版してもらいたいのです。火薬とガソリンを詰め込みすぎの中野特撮の舞台裏の記録を全公開! どこかの出版社でやってもらえませんか?
期待してます!