実際に購入して、拝読しました。
本書は、6月にご病気で逝去された編集ライター竹内博氏が、84年〜87年に掛けて、
朝日ソノラマ社から発行されていた、隔月刊「宇宙船」(89年から季刊に戻る)誌上に連載された
「昭和特撮に関係された方々に著者がインタビューした」内容を一冊にまとめたものです。
本書でインタビューを受ける方々は矢島信男監督お一人を除き、皆様「故人」となられた方々ばかりで
「昭和特撮ファン」にとっては非常に貴重なインタビュー集です。
竹内さんの質問の内容が非常に的確、適切で、とても興味深いです。
写真が「宇宙船」連載時に比べて少ないのが残念ですが、内容に関しては、例えば作曲家の伊福部昭さん
の苗字に関する由来、円谷英二監督の奥様、マサノ夫人による円谷監督の知られざるエピソード等、
ここでしか読めない内容が満載で、昭和特撮、円谷作品が好きだ、と自認する方には必携の書と
言って良いです。
竹内氏は中学校卒業直後の71年に円谷プロに入社し、「怪獣図鑑」等の特撮映画関係書を
「ビジュアル本」にまで高めた、名編集者でした。
「特撮冬の時代」と呼ばれた80年代に朝日ソノラマと組んで「東宝特撮怪獣映画大全集」や
「円谷プロ大艦」、「ウルトラマン大艦」を次々に発刊し、「昭和の特撮の灯を消すな!」と
言わんばかりに精力的に出版を続けられました。
「休止時代」にあった「東宝特撮とゴジラ」と、「ウルトラマン80〜ティガの空白の15年間」
の時代に、東宝特撮、円谷特撮の素晴らしさを「世間に認知させたい」と情熱を持って孤軍奮闘した
竹内氏の功績は非常に大きいと思います。
本作でも編集者としての竹内氏の編集者としての力量がいかんなく発揮されています。
逝去される1ヶ月前に書かれた「あとがき」を読むと、正直、涙が出てきました。
是非、一人でも多くの特撮ファンに読んで頂きたいです。
「ゴジラ」、「東宝SF」、「ウルトラシリーズ」が21世紀の現在でも、ここまで認知されている
のは、作品の素晴らしさを目で見える形で訴え、支えた続けてきた人々が居たからこそで、
竹内氏はまさにその中核をなしていた、と思います。
お疲れさまでした。そしてありがとうございました。安らかに眠られる事を願って止みません。