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特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848)
 
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特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848) [単行本]

ユッシ・エーズラ・オールスン , 吉田奈保子
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「特捜部Q」未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。カール・マーク警部補は「Q」の統率を命じられた。しかし、あてがわれた部屋は暗い地下室。部下はデンマーク語すら怪しいシリア系の変人アサドひとりのみ。上層部への不審を募らせるカールだが、仕事ですぐに結果を出さねばならない。自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査に着手すると、アサドの奇行にも助けられ、驚きの新事実が次々と明らかに。北欧の巨匠が本邦初登場! デンマーク発の警察小説シリーズ、第一弾。

内容(「BOOK」データベースより)

「特捜部Q」―未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。カール・マーク警部補は「Q」の統率を命じられた。しかし、あてがわれた部屋は暗い地下室。部下はデンマーク語すら怪しいシリア系の変人アサドひとりのみ。上層部への不審を募らせるカールだが、仕事ですぐに結果を出さねばならない。自殺と片付けられていた女性議員失綜事件の再調査に着手すると、アサドの奇行にも助けられ、驚きの新事実が次々と明らかに―北欧の巨匠が本邦初登場。デンマーク発の警察小説シリーズ、第一弾。

登録情報

  • 単行本: 472ページ
  • 出版社: 早川書房 (2011/6/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4150018480
  • ISBN-13: 978-4150018481
  • 発売日: 2011/6/10
  • 商品の寸法: 18.4 x 11.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 148,421位 (本のベストセラーを見る)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 夢追人009 トップ500レビュアー
近年ヨーロッパ諸国を中心に絶大な人気を獲得しているデンマークのベストセラー警察小説シリーズ「特捜部Q」の第1作です。今年私が読んだ北欧ミステリーはスウェーデンの「黄昏に眠る秋」ノルウェーの「湖のほとりで」に続いて本書が3冊目になりますが、また一作水準が高く抜群に面白い傑作ミステリーと出逢えた幸運を心から嬉しく思っています。私が近年ブームの北欧ミステリーを読んで感じるのは、時に過激さの度合いが強くなるとバイオレンスな残酷描写にも繋がってしまう程の凄絶な人間の情念の部分で、ミステリーのトリックやテクニックの面白さよりも強く印象に残ります。
コペンハーゲン警察の殺人捜査課のベテラン警部補カール・マークは部下二人をそれぞれに死亡と瀕死の重傷で戦列から失い自らも心身共に傷を負った凶悪な銃撃事件からようやく復帰したが長年務めて来た仕事への情熱を失いつつあった。そんな彼に上司が命じたのは迷宮事件専門に再捜査を行う新部署「特捜部Q」を統括する仕事で、執務室が暗い地下室なのに加え部下が正体不明の怪しいシリア人アサド一人だけという呆れた実態に最初は適当にやっていたカールだったが、やがて刑事の本能がムクムクと湧き出し5年前に起きた女性議員失踪事件の再調査に積極的に乗り出して行く。
本書の構成は冒頭から2002年に始まる悲劇のヒロイン「檻の中の女」ミレーデ・ルンゴーの過去の物語と2007年の主人公カール・マーク警部補の現時点での物語が交互に描かれる手法で、勘の鋭い方ならば最初の方で全体のからくりが朧気に見えて来ると思いますが、そこからでもまだまだ大丈夫で興味深く大いに楽しんで読めます。究極の生き地獄と呼ぶべき悲惨な環境でひたすら耐えて生きる悲劇のヒロインの運命がどうなるのか気懸かりでしょうがない思いに引き摺られながら、途中で挿入されるカール警部補が出世の誘いを頑なに拒み続けて世間からどんなに非難されようと全く気にせず執念で捜査に当たる姿勢に女性心理学者モーナへ寄せる愛の愉快な顛末等が示す彼の飾らない人間的魅力や得体の知れないシリア人アサドが垣間見せる意外な実力とカールが彼の独断的な行動に怒りながらも本能的に信じる道を選ぶといった人間味溢れるドラマに感動を覚え、そして遂に二つのドラマが重なり合って終盤に迎える興奮のタイムリミット・サスペンスへと怒涛の如く一気に雪崩れ込みます。私が本書で特にお奨めしたいのは、全ての動的なドラマが終わった後に訪れるある意味とても静的なラスト・シーンで、悲惨な運命の過酷さも先行きに待つ不安をも忘れさせてくれる人間の生命力の奇跡に唯々息を呑み深い畏敬の念に打たれました。
第1作目にしてこの完成度の高さに驚き非情でリアルな迫真の描写と温かな情感に満ちた人間ドラマの硬軟併せ持つ魅力に感銘を受けました。私としては一読後まさしく本物だと確信した次第で、現在の既刊の残り3冊が非常に気になりますので、一刻も早く次作が紹介されます様にと祈ってその日を心待ちにしたいと思います。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hoge2 トップ1000レビュアー
流行の北欧ミステリですが、本作は軽めの警察小説といったところでしょうか。
イアン・ランキンや、スチュアート・マクブライドのミステリと比べると、次々と手がかりが見つかっていく物語は厚みに欠け、心に傷を負った主人公という姿も類型的で掘り下げにかけるという見方も出来るでしょう。
とはいえ、物語はテンポ良く進み、刑事と助手のコンビの姿も微笑ましいので、値段分。きっちり楽しむことが出来ました。
事件は陰惨ですが、読後感も爽やかなので、ちょっとした楽しい読み物を探している人に十分進めることが出来ると思います。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By アイク トップ500レビュアー
「ミレニアム」というメガトン級のベストセラーの登場でミステリエンタティメントの分野でも非英語圏の北欧からの秀作紹介の機運が高まって来たようです。
本書などその好例と言えるのではないでしょうか?
デンマークと言えば日本人からすればアンデルセン童話や福祉国家の印象で「安定した豊かな国」のイメージが強い気がします。
そんな国の警察を舞台にした本書では我々の先入観を崩しかねない、平穏でも牧歌的でもないリアルなデンマークが描かれていて興味深い。

「特捜部Q」まずタイトルがいいですね、早川ミステリらしいセンスを感じさせる装丁もGJ。
結構ボリュームのある本書ですが物語の骨格は至ってシンプル。
故あって新設の特捜班Qをゆだねられたカール・マーク警部補が未解決の国会議員失踪事件の真相に迫るというもの。
実際には被害者である女性議員の視点から見た異様な事の成り行きも交錯する形で描かれており、読者もカールと供に少しづつ明らかになる情報を共有しながら凶悪な事件の真相に近づいてゆくことになります。

設定はシンプルですが人物造形&背景は中々陰影に富んでいて読ませます。
カール警部補は自らも負傷し、仲間を失った事件の影響を思いっきりひきずったままで捜査への熱意を失っており、特捜部Qのトップに着任したはいいが実際には体のいい厄介払いを喰らった状態。
おまけに与えられた部下(というか雑用係)は謎めいたシリア移民のアサドただ一人。
家庭も崩壊しております。
という訳で決して読んでいて素直に共感できるほど主人公の心情は楽観的ではない。

普通なら事件を通して彼の「再生」が描かれて行くのでしょうが、この辺りがアメリカ圏の作品とは異なる印象なのですが意外な程ドライなんですよね。
「ミレニアム」もそうだったのですが主人公の苦悩や心情がきちんと描かれているのに何故かウェットにならない。
かと言って決して「冷淡」と言う訳でも「ハード・ボイルド」でもない、不思議なバランス感覚というか距離感を感じるんです。

犯罪自体の内容も変な意味でエキセントリックなんですよね(副題の「檻の中の女」は実に的確)。
欧米のサイコホラー的な血まみれの惨劇などとは異質なのですが粘着的かつ偏執的な嫌ぁな感覚で、この辺りが意外と「国民性」だったりするんでしょうか(笑)。

今回はシリーズ第一弾ということもあり、多分に主人公を取り巻く状況のお披露目的な側面が強くなっております。
結果として謎めいたアサド氏の背景も明かされてはおりませんし、カール警部補も本格的に立ち直った訳でもありません。
しかし登場人物たちの今後に関心を抱かせるだけの魅力を持った作品であったのも事実。

新作特捜部Q ―キジ殺し―― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1853)もぜひ読んでみたいと思います。
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