長生きする猫は、化け猫になるというが、
この「宗谷」という船も、物という存在を超えて
霊的な存在感をかもし出している。
ソビエト連邦に発注されながらも引き渡されず、
帝国海軍艦艇として、潜水艦を撃沈し、その後
南極まで船出し、70年の時を経て、今は
お台場に停泊している。
宗谷の生き様を日本の昭和時代と重ねて
しまうのは、必然といえば必然かもしれない。
幕末から明治、日清、日露戦争を経て太平洋戦争、
高度経済成長の昭和までが、
海の持つ荒々しさの中に飛び込んでいく船乗りの勇気と
日の丸を思わせる宗谷の赤い船体が、
ラップするようである。
器用貧乏で、かっこ悪くて、泥臭くて、地味で、のっそり
している。
大和なんかよりも、日本らしい船ではないかと思う。