光子がベクトルとの性質を持っているということを、直角に遮った2枚の偏光フィルターの後ろに3枚目の偏光フィルターを45度の角度で入れると、2枚目の後ろで遮られていた、光が復活するということで、後の素粒子のスピンの話につなげていくところはうまい。
「超ひも」理論に関しては、これまでもわかったような、わからないようなイメージしかなかったけど「なぜ、ひもの形をしているかと言えば、大きさのない点が特異点という悪者をつくりだしていたので、それを回避するために大きさをもたせてみたのである。ようするに『点』の次に簡単な幾何学的構造が『ひも』だったのである。そして、その試みは大当たりした」(p.160)という説明は目ウロコものだった。そして、20年間の研究うちに「宇宙は11次元という拡がりをもっている」「われわれはそのうちの四次元に閉じこめられている(空間三次元+時間一次元)」「超ひもたちはDブレーンから生えている」「超ひもとDブレーンが固くからまった状態はブラックホールである」「Dブレーン上を動き回る超ひも同士がぶつかると、ちぎれて泡が飛ぶようにDブレーンを離れるが、それはホーキング博士が予言したブラックホール放射である」という予言が数学的に明らかにされているという(p.162)。ただし、誰も実験で観測されていないが…。
この後のスピンネットワークについてはわくわからなかったが、とりあえず、そうしたものが最先端にある、というのがわかっただけでもありがたい。