ベルクソンは生の哲学と言われ、後のメルロ=ポンティやドゥルーズなどにも影響を与えた人です。
この本はしばしば彼の著作の中でも最も難しいと言われていますが(訳者曰く、20歳位の時に読んで全く意味がわからなかったとのこと。)、知覚、記憶、感情そのものそしてその関係を非常に深く探求する彼の姿勢を感じ取ることができるでしょう。
この探究はプルーストの著作にも深く影響しています。
ベルクソンの姿勢は、哲学や心理学が陥っていたドグマ、すなわち閉域を打ち破るものとしての力となっています。
下の方の意見に哲学や数学は実在の対応関係とは別にその世界の真理を探究すべきだというものもありますが、むしろ哲学が哲学、文学が文学、法則が法則として生成していく中でこぼれおちてしまったもの、あるいは見向きもされなかったものに目を向けること、そうすることにこそ探求の妙味が有るのではないかと私は考えています。
特に文学という世界においては、その探求の中でしか新しい作品が生まれてくることはありませんから。