カステル・サンタンジェロに絡めて8人の人物について書かれた本。
もともとNHKの語学講座テキストに連載されていたものを本人がご逝去されたのち、特に手を加えることなく
新書化したものなので、もしご本人が編集されていたらもっと違う形態になっていたかもしれない。
ハドリアヌスやロレンツォ・デ・メディチ、コロンブスは他でも取り上げられているが、マローツィア夫人、異端者ア
ルナルド、大教皇グレゴリウスについてある程度まとまった分量で扱っているのはこの本ぐらいではないだろう
か。教皇権転落の発端として世界史の教科書にのっていたボニファティウス8世も面白いし、
コロンブスについても、実際の航海の話を扱わず、かれがいかにスポンサーや支援者を探し、航海までたどり
つけたかということについて書いており、そしてそこにこそコロンブスの偉大な資質があると著者は評価していると
ころも激しく同意。