小室直樹博士は、皇国史観は3つあるという。ひとつは崎門の学(江戸時代の思想)、
ひとつは戦前の教科書、もうひとつが平泉澄である。
しかし辞書などを見ると、専ら3つ目の意味で使われている。
では平泉澄とはいかなる人物なのか。それはこの本だけでは分からない。
しかし、この本は平泉澄の、明日の日本を担う少年への遺書である。
平泉澄を知りたい人も、平泉澄から教わりたい人も、必読だ。
誰かが言うには、これは平泉澄の研究の集大成でもある。実際、建武中興や、
徳川時代の崎門の学や国学の変遷は、やけに詳しい。
例えば幕末では、坂本龍馬が出てこなかったりと、寂しい部分もあるが、
崎門の学などによって維新の説明をしているというのは、実にありがたい。
今の日本は幕末に似ているが、幕末に存在した思想は、明治には既に
失われてしまっていたからだ。青少年にはこの本と、幕末の志士の伝記に
ぜひとも触れていただきたい。御歴代天皇と多くの人物が中心の歴史は本当に面白い。
あくまで歴史観のひとつではあるが、甘く見ないように。
和歌が多いという指摘はもっともだが、昔の日本人の心を知るには、和歌が手っ取り早い。
しかし、和歌の現代語訳・解説が少ないのは難点だ。
「平泉寺 物語日本史」でグーグル検索すると、序文が読めます。参考に。
偉人を死と共に雲散霧消させることは、国家にとって限りない損失である。
ひとりでも多くの先人を知り、お手本としていこう。この本は修身の教科書とも言えるかも。
そして、武士中心の武士史観、武士道の本という気もする。大和魂を持とう。