「世渡り上手」な東南アジアの優等生という帯にひかれて読みました。たしかにフランス,イギリス,アメリカとうまくつきあって植民地化を免れたり第一次世界大戦の勝敗の帰趨がはっきりしてから参戦して戦勝国側についたとなかなか世渡り上手。東南アジアの厳しい状況のなか必死に国を運営しているタイの姿がよくわかる。しかも第二次世界大戦では連合国側に戦線布告をしておきながら,布告書の書名をわざと不備にしておいてあとであれは正式のものではないと逃げをうつあたりなかなかやります。
そもそもタイの歴史を新書サイズでコンパクトにまとめた類書はないのだからこの本の存在意味は大きいと思う。ビルマ(ミャンマー)との関係など現在のこの地域の政治状況を理解するためにも読む価値のある本でとても面白く読めた。アユッタヤー朝のタイから2006年のクーデターまで周辺国も含めたタイの歴史を一通り理解できる良書。