日本を代表するオーストラリア外交研究者による入門書。
入門書とは言っても、その内容はかなり充実しており、この一冊を読めばオーストラリア外交の歴史は一通り理解できたと考えていいだろう。入門書ということで、当然わかりやすく、興味を引くように書かれているのだが、かと言って変に単純化してしまうこともなく、オーストラリア外交をこれから勉強したい者に、安心して進めることができるテキストだ。また、本書は、「世界史におけるオーストラリア」、「アジア太平洋におけるオーストラリア」という視点が常に意識されているのが特徴的である。とかく国際関係(史)の脇役になりがちなオーストラリアであるが、本書は(少なくとも国際関係史を学ぶものにとっては)それを表舞台に引っ張り出してくれたといえる。