この本は、上下刊いずれも数学的厳密性が重んじられており、本文解説や演習問題それぞれに数学力が他の本よりも求められます。本書のタイトル"物理概論"には、『言葉の冗長を排し、全て数式による簡潔明瞭さを特徴とした物理の入門書』という意味が潜在します。本文中の例題や章末の演習問題も程度がやや高いですが、特に"質点の運動"において空間座標を取り決めるセンスを養えます。数が少ない故、何度も繰り返して確実にモノにしましょう。突然理解し始めた時、物理学の広大な領域への扉をくぐった事に気が付く筈です。上巻では力学・弾性&流体・波動・幾何光学・熱力学などを解説しています。数学・物理学バリバリの天才高校生がベクトル解析初歩を独習して読むと実力が伸びまくります。大学入学後の講義にギャップを感じる事も無いでしょう。あとは実験にどれだけ開眼できるかです。
なお、巻末にある解析力学の補遺ですが、物足りないにしても必ず計算過程を理解・マスターする事をお勧めします。解析力学のブロセスを知らないと、後に学ぶ量子力学が訳分らなくなってしまうからです。