アルベルト・アインシュタイン…この名前を聞いたことのない人はいないであろう。アインシュタイン博士は、相対性理論を筆頭に物理学における数多くの理論を築いた天才である。そんなアインシュタイン博士が書いた本が本書である。
さて、“物理学はいかに創られたかは”は上下巻に分かれており、本書は下巻である。上巻の内容は、ニュートンの方程式や万有引力の法則の発見から始まり、電気および磁気における物理現象を語り、最終的にマックスウェルの方程式で締めくくられる。下巻の内容は、相対性理論が生まれてきた歴史を振り返ることから始まり、量子論の初歩的な部分を解説して終わる。
本書の良いところは、単に物理法則を語るだけではなく、物理学の歴史を振り返りつつ、その当時起こった論争がどのように解決されてきたかということが記述されているところである。今日では当たり前と思われている法則が先人の知恵と努力により築かれたことを実感できるであろう。
…というように内容には満足なのだが、難点もある。その難点とは以下の3つである。
・ 訳が自然な日本語になっていない箇所が多々あること
・ 今では使わないような日本語表記が多々あること
・ 図を使えば簡単に解説できるようなことを延々と文字で解説していること
上記の難点より、物理を学んだことのない人が本書を読むというのは難しいと思う。とはいえ、本書が名著であることには変わりはない。本書の初版を見ると1939年10月30日となっている。1939年といえば、日米開戦の前である。これほどまでの長い月日を経てなお、本書が読み続けられていることに驚きを感じずにはいられない。物理学を志すなら読むべき一冊である。それは、文学を志す者が古典の代表作である源氏物語や徒然草などを読むのと同じようなものかもしれない。