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22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「物理学とは如何にして創られるものなのだろうか?」,
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レビュー対象商品: 物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書) (新書)
湯川秀樹先生は「物理講義」で「『既に創られた物理学』を学ぶことと、その物理学が創られた当時に創った本人が考えたことは全く違うんです。もしどちらも同じと思っている人は試験勉強だけをしてきた人です(笑)」と仰っています。この朝永先生の本は正に「物理学が創られる様子」を忠実に解説しています。ニュートン力学が生まれる前にケプラーやガリレオが如何に力学にアプローチしたのか、原子論・統計力学が確立する前に熱力学が如何に形成されていったのか、ということが良く分かります。正に「普通の教科書には載っていない話」が満載です。これから新しい物理学を創らんとする物理学徒には大いにお薦め、下巻と併せて読みましょう。
この本(上巻)の最初の方で、物理学の定義として「我々の取り囲む自然界に生起するもろもろの現象ー但し主として無生物に関するものーの奥に存在する法則を、観察事実に拠り所を求めつつ追求すること」と定義されています。(「観察事実を絶対視する」とは言っていない処にご注目!) 時代が進むにつれてこの定義も徐々に拡大されていきます。そんな処に注目しながら読み進めると面白いと思います。 この本は、大学教養程度の物理学を学んでいる方が楽しく読めます。「自然の書物は数学の言語によって書かれている」(ガリレオ)な訳でして、数式をイメージ出来るかどうかで本書の理解度は変わるものと思います。
29 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
お恥ずかしい話ですが・・・,
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レビュー対象商品: 物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書) (新書)
予備校に通っていたときに物理科の先生がこの本を紹介されていた。当時、「物理なんて公式にあてはめればチョロイ」と思っていた愚生は当然「物理=あてはめ」と信じており(もちろんそうではありません)、いかに多くのあてはめ例を覚えるかが勝負といきり立っていた。そこで本書を、「どんなあてはめテクニックが紹介されているのだろうか」と胸おどらせてひも解き、案の定テクニックのかけらも見つからず終わった。いうまでもなく物理学はそんな姑息な学問ではない。現象の仕組みをひも解く学問である(と今は思っている)。そのひも解き方、見方が本書には書かれている。はっきり言って、簡単な書きぶりではない。頭をフル回転させ、鉛筆と紙を横において作業を行わないとわからない。同じ所を繰り返し読んだり、前にもどったりしないとわからない。しかし、そういう苦労に報いてくれる内容である。パッと見わかりやすいもの、視覚に訴えるものがわかりやすいと思われがちであるうが、そうでないように見えるものが実は一番わかりやすいと思う。そういう本である。お勧めです。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
完成前に亡くなって、とても残念。,
By a-and-p (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書) (新書)
おそらく、この作品は物理学を力学から量子力学につなげた現代物理の歴史を交えて、広域的に作ろうとしたものだったのだと思う。上巻は物理学の発祥、占星術から天体力学が派生しケプラーの話から始まり、ガリレイを経てニュートンの話。その後、化学の発祥の話に始まり、熱力学の話になります。中でも熱力学の説明は過去の科学者がどのような思考で偉大な法則を導き出したかを彼らが陥った失敗や試行錯誤の結果を交えて説明していきます。今では端的に説明される熱力学法則を原始的にかつ魅力的に導いていく過程は感銘を受けました。特に、エントロピーについてはボルツマンが導き出した分子運動論のエントロピーとクラウジウスが最初に定義したものを別個にして下巻で結びつけるあたりが本当にわかりやすかった。田崎晴明先生の熱力学の本と一緒に読みましたが、熱力学の理解だけでなく、統計物理の勉強に本当に役立ちました。ただの科学史としてではなく朝永先生の物理学者としての鋭い視点も随所に見られます。この作品が朝永先生が亡くなる前に、先生が満足する形で完成されていればもっと救われたかも、という気がします。
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