この本を読んでいて、ロシアの物理学教育の水準の高さがよく分かる。
本書はあの有名なランダウ・リフシッツ理論物理学教程に入る前の、一番最初の門に相当する。
扱ってる分野は力学、電磁気、熱力学、物性、化学物理と広範囲に及ぶが、説明が天下りではなく、きっちりと本質を掴んだ説明がされている。
本書とよく比べられるのが、ファインマン物理学シリーズであるが、あちらは膨大な思考実験を題材に、論理を展開しているのに対し、ランダウ達の書いた本は合理的で無駄無く巧妙にまとめられている感じがする。
どちらが良いかは好みにも依るだろうが、短時間で自然科学の教養を誰でも身につけられるものとしては、本書が最高であろう。
ファインマンのシリーズもそうであるが、本書も前提とする数学知識や物理の知識は最小限(中学、高校初級レベル)で読める様になっている。
ゆとり教育で作られた変な教科書などよりずっと内容が優れており、一時的な復刊で終わらないで欲しい一冊である。