少し古くなっていますが、入門レベルの標準的なテキストとしていまもイチオシです。
★ このテキスト程度は無意識に出てくる程度にしないといけないです。
実は著者のおひとりを遠くからですが見知っているので、おベンチャラと取られると困るんですが、この複素関数論のテキストは
じつによくできています。わたしは学部時代に、先輩後輩らと数学書や医学書の輪読会をしていました。
英語のものもあって、一人で読むとダレてしまいますからね。そのなかでも、ダントツにわかりやすかった。
はしがきにもありますが、著者のおふたりの講義ノートが基礎になっているので、読み切りの
数学の入試問題集のような軽いがしゃれた仕上がりになっています。教育的配慮ということでしょうね。ご努力に脱帽。
★ 無駄な証明(わかりきっているので書かなくてもよい)を、「数学的厳密性」などのいいわけのもとに書いてない。
したがって実にスカッとした展望が開けます。気になる人は、高木解析の複素関数のところとか、
アールフォース(3版は翻訳されていない)とか、岩波の数学辞典とか、今出ている複素関数のもっと厚いテキスト等、
ちょこちょこみながらやればいいでしょう。
どうしてもわからなければ、仕方ないから、数学科の先生に聞けばいいでしょう。
★ ここに書いてあることはほとんどが骨肉というか常識になるレベルにならないと、医学生理学系統の先端研究と機材の開発を志す人間と
しては使い物になりません。複素関数というのはじつは伝統的な物理だけのものではないんですね(著者はふたりとも物理出身ですが)
できるだけはやく通り過ぎてください。その目安になります。
★ 演習が豊富でわかりやすい。これが最大の特徴だと考えます。だから物理学科の専門課程の入り口で苦しんでいる人にはとくに
お勧めします。詳細にみるといろんなところからピックアップしてそれをチューニングしてあることがわかります。
巻末の解答は略解なんですが、じつは本文に答えが書いてあるものが多いので、独習でもOKではないでしょうか。
★ レベル的にはいわいる教養課程の「解析」終了程度が想定されているようですが、ゆっくり読むと高校生でも理解できるのでは?
もちろんいま複素関数の講義を聴いている人には、そのサブテキストとしてお勧めします。
★ 複素平面の導入からはじまり、12章(148ページからはじまる)がγβ関数、特異点とフーリエ積分変換(ここまで186ページ)
で終わり。各一章を一週間程度で読み切るとすれば、3〜4カ月の独習かな。
といっても最初の5章ぐらいは教養の数学のまとめなので、がんばれば1月程度でものにできると思います。