筆者の湯浅和夫氏は日通総研の役員を経て独立した物流コンサルタントである。本書は2002年4月から「月間ロジスティクス・ビジネス」という物流業界では最もレベルの高いとされている専門誌に「物流コンサル道場」として連載されたものである。筆者の経験をベースとしているが、主人公は必ずしも筆者ではないとされている。筆者によれば、この物語風の連載で、コンサルタントの「発想」や「視点」を伝えたいと語っている。
物流コストは物流部門の努力だけでは削減出来ず、会社全体の仕事の仕方、顧客との取引条件やサービスレベルの設定の仕方によって決まって来るものである。それらを数字化して管理している企業は少ないが、可視化することによって対応策は自ずと見えてくる、というのが全編を通して感じられる思想である。
「物流部があるから物流がだめになっている」、「物流センターをなくしていくことが物流担当者の役割」、「物流はやらないのが一番」など企業の物流担当者には発想の転換が求められるような内容となっており、物流業界の読者のみならず、物流に悩む企業経営者にもお奨めの書である。