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牧野富太郎自叙伝 (講談社学術文庫)
 
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牧野富太郎自叙伝 (講談社学術文庫) [文庫]

牧野 富太郎
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

わが国の植物分類学を独力で切り拓いた巨人・牧野富太郎。幼少より植物に親しみ、小学校中退後の人生を独学による植物研究に捧げた彼は、権威による研究妨害や貧困に屈することなく、95年の生涯の晩年まで現役であり続けた。彼が採集した標本は実に60万点、命名した植物は2500余。「植物学の父」が独特の牧野節で綴る波瀾万丈の「わが生涯」。


内容(「BOOK」データベースより)

わが国の植物分類学を独力で切り拓いた巨人・牧野富太郎。幼少より植物に親しみ、小学校中退後の人生を独学による植物研究に捧げた彼は、権威による研究妨害や貧困に屈することなく、九十五年の生涯の晩年まで現役であり続けた。彼が採集した標本は実に六十万点、命名した植物は二千五百余。「植物学の父」が独特の牧野節で綴る波瀾万丈の「わが生涯」。

登録情報

  • 文庫: 272ページ
  • 出版社: 講談社 (2004/4/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061596446
  • ISBN-13: 978-4061596443
  • 発売日: 2004/4/10
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By dvrm トップ100レビュアー
形式:文庫
 先日その著書を読んで驚いた植物学者・牧野富太郎氏の自叙伝と、本人が関わった機関誌「混混録」からの記事、牧野氏の娘・鶴代さんによる「父の素顔」を併せて収録した著作。

 土佐の酒屋の跡取り息子として生まれ、植物に魅了されて一生を植物の研究にささげ、小学校中退という学歴ながらひたすら学修を続けてやがて理学博士にもなり、東大の研究所に勤めながら同僚のいじめに耐え、図説や図鑑を多く刊行して成果を世に広め、日本でいち早く植物の学名を付すことをはじめ(その数およそ二千五百種だという)、酒も煙草もやらずにひたすら採集と研究を続け、妻と子供を抱えて貧乏に苦しみながら家族を愛し、九十五歳の天寿を全うしたというその生涯が、重複箇所は多い文章ながら纏められている。

 その生きざまは先日読んだ著書からも感じられるように植物を溺愛し尽くした行跡で、自分は植物の精なのではと一再ならず自問しているが、まさに植物のそぞろ神に憑かれているかのような人生のようで、家財を使い果たし借金に見舞われても、家族に悪いと思いながら植物漬けの人生を貫き通したようで、奥さんも「道楽息子を抱えたようだ」といいながら深く牧野氏を愛し、牧野氏も奥さんの名を植物の学名に付し、奥さん亡き後はその植物を妻の墓前に供えるなど、感動的なエピソードもある。娘さんのお話も、牧野氏の情熱が見せ掛けでなかったことを伝えてくれる。

 もちろん牧野氏は聖人ではなく、文章を読んでも奇矯な振る舞いや癇の強い性格を滲ませているし、短所もあったのだろうが、文中に一部ある講演の語り口を読んでみても、非常に魅力的な人間なのは間違いがないと思う。一方で理学博士という肩書きなど本当はいらないのだといい、学者たるものいくら齢を重ねても学び続けるのが当然の義務であり責任であるという学びの厳しさもあって、尊敬できる。なにか、昔少し読んだ南方熊楠を思い出した。

 他にも植物研究がナショナリズムに結びついていく部分や、「混混録」の一篇で紹介している座談会で志賀直哉が指摘しているように、牧野氏の文章が面白いというのは同感できるし、色々な観点で面白さがある。植物学のことも、牧野富太郎氏のことも、彼の生きた時代のことも、関連する人々のことも色々考えさせてくれる一冊。
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By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
日本の植物学の父と呼ばれる著者が95才の時に刊行された自叙伝。著者自身が執筆した自叙伝に、雑誌掲載文や講演内容を加味して纏めた物の様である(やや重複が多い)。著者の名前だけは流石に知っていたが、本書を読んで驚く事が多く、初めてその清廉で一徹な素顔に接する事が出来た。

伝統ある酒屋の跡取り息子として生まれ、学者になる積もりなどサラサラなく、ただ草花を愛していた姿が伝わって来る。小学校中退と言う学歴のため、実際の草木の知識は詳しいのに、官位には恵まれず苦難を道を歩いて来た過程が伝法な調子で綴られている。てっきり若い頃から(官位ある)学者として活躍していたと思い込んでいたので意外だった。薄給による金銭的苦労に加え、(形の上での)上司である教授達との確執があからさまに語られているが、嫌味な感じはしない。それは、著者が世俗的な地位や名誉ではなく、植物(学)への執心だけを持っていたためだろう。以下の短歌、都々逸がそれを良く表していると思う。

<66才での博士号取得に際して>
 「何の奇も何の興趣も消え失せて 平凡化せるわれの学問」
 「鼻糞と同じ太さの十二円 これが偉勲のしるしなりけり」

<本書執筆当時の心境>
 「草を褥に木の根を枕、花と恋して五十年」

一方、恩義を受けた方達、特に奥様への感謝と愛情の念が細やかに綴られている点も印象に残った。反骨と情誼の人であった著者の面目が伝わって来る快著だと思う。
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