あらすじや帯の煽り文から、ハーレクインヒストリカルのような恋愛物かと思って購入したのですが、徹底的に裏切られてしまいました。この物語そのものの意味さえ無くなるような、救いのないバッドエンドに呆然。
途中までは確かに牢の中に閉じこめられたヒロインと、同じく軟禁されている男性との恋愛めいた展開であり、奇妙な牢の中での生活ぶりもなかなか興味深かったのですが…。
ラストの展開に悪い意味で意表を突かれました。ヒロインの言葉を借りると、この本を読んだ自分はまさに“感情の無駄遣い”をした気分です。或いはこの心のわだかまりと空疎感こそが著者の狙いなのかもしれませんが、非常に後味が悪いです。精神的にどっと疲れました。
現実では何かが起こっても不毛に終わる事は日常茶飯事ですし、主人公が後ろ向きな気持ちで投げやりに幕を下ろす作品も否定しません。けれど歴史ファンタジーに自分が求めるのは多少なりと何かが主人公に還元される物語なので、厳しい評価になってしまいました。それさえあれば恋愛の顛末はどちらに転んでも良かったので、残念です。
個人的にはあまりお勧めとは言えませんが、デイルマーク王国史の原点ともいえるそうなので、バッドエンドに耐性があり、興味がある方は一読されると良いと思います。