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12 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
不出来な私小説 ,
By 小谷野敦 (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 片翼だけの天使 (講談社文庫) (文庫)
1984年刊行当時話題を呼んだ「私小説」である。当時生島治郎は51歳。かつて小泉喜美子と結婚して離婚、小泉は生島の姓であり、喜美子はこの翌年事故死している。
ソープ嬢として出会った韓国人女性には夫がいた。だがこの女性は主人公に惚れこんでしまい、男もかわいく思って、そこへ夫がからみ、女を家から出すところで終っている。続編も書かれている。 しかし、私小説としては不出来である。第一に、生島の癖なのだろうが、不要に長い。そして何より不明なのは、この女は、かわいいけれど頭が弱いのではないかとしか思えず、それを主人公が、韓国人だから日本語が不自由なのだと思い続けていることで、もちろんその頭の弱さが「天使」という表題につながるわけだが、主人公は日本がかつて朝鮮を侵略したことを負い目に感じている。くりかえし、それゆえの偽善的愛情ではないと強調するが、これが日本人の女だったら、恐らく惹かれることはなかっただろう。結局この女と結婚した生島は、以後散々な目に遭うことになる。愚かだ、としか思えず、かといって愚かに女に溺れているのでもない。
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