「父親再生」ということは、父は一度死んでいるということか?著者はそう思って本書を書いたのだろう。
実際には父そのものが死んでいるのではなく、「父親とは・・・」というイメージ、いわゆる父親像というのものがすでに崩壊していて、生活スタイルなどが変わった現在では、新たな父親像を受入れ、それを実践していかなければいけないという内容だ。
父親は会社の同僚などに子供の話をあまりしない。もちろん家庭の悩みもそれほど話はしないだろう。
母親と違って子供つながりでの関係を構築する機会が少ないために、どうしても子供に関する情報が少なかったり、子供に対して杓子定規な見方しかできない。それは家族のコミュニケーションで得た判断基準ではなく、外部から得た「定型化された基準」でしかないということになる。
本書では、様々な父親のパターンを、著者がカウンセリング日記のような語り口で綴っている。
全体的に筋が通っているかどうかはわからないが、様々なパターンを提示してくれていることで、自分の家庭に合う情報を見つけることができるだろう。
本書に出てくる父親はいわゆる団塊世代の父親で、若いお父さんではない。
若いお父さんが押し付けられていた父親像を引き継いで「父親とはかくあるべきだ」という勘違いをしないでほしいという意味で、若いお父さんが子供のとき、どう考えていたのかをもう一度思い出し、そして自分の子育てに活かして欲しいという内容だ。だから、本書には父と母と息子しか出てこない。
ところで・・・
著者はカウンセラーなのだが、とにかく文章が下手で読みにくい。
カウンセラーに文章を巧みに扱う能力が必要だとは思わないが、出版社の編集がもっとなんとかしてやれなかったのだろうか・・・その点だけが残念だ。