クリント・イーストウッド監督による「硫黄島の戦い」二部作のアメリカ側から描いた作品。本作は戦争映画の分類だが、内容は文学作品に近い。戦いのシーンは多くはなく、大半は戦闘に参加した兵士たちのその後の悲劇と苦悩を描いている。本作は事実に基づいて書かれているが、アメリカ人にとって「硫黄島の戦い」は輝かしい勝利の象徴であるのに、それを覆すように戦争の内面から描いた衝撃的な作品である。「硫黄島の戦い」を軸に当時のアメリカの事情なども克明に描いている。
故に本作品を鑑賞する前に、ハリウッド的な戦争アクションを期待すると失望すると思う。本作のストーリーは現在と過去、米国と硫黄島が交互に交錯した文学的な映像となっているからだ。
「戦争に行った者は戦争の真実は語りたがらない」という台詞があるが、イーストウッドは後世のアメリカ人に父親たちの行ったことを残したいと思ったのだろう。
今後のBlu-ray版では是非、「硫黄島からの手紙」とのツインパックにして、特典を満載の豪華版で発売して欲しいと思う。