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父の帽子 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
 
 

父の帽子 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) [文庫]

森 茉莉
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

東京・駒込千駄木観潮楼。森鴎外の長女として生まれた著者は、父鴎外の愛を一身に受けて成長する。日常の中の小さな出来事を題材にして鴎外に纏わる様々なこと、母のことなど、半生の想い出を繊細鋭利な筆致で見事に記す回想記。「父の帽子」「『半日』」「明舟町の家」「父と私」「晩年の母」「夢」ほか16篇収録。日本エッセイストクラブ賞受賞。


登録情報

  • 文庫: 228ページ
  • 出版社: 講談社 (1991/11/1)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061961519
  • ISBN-13: 978-4061961517
  • 発売日: 1991/11/1
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 明治時代の美しい中流家庭の描写, 2004/6/18
レビュー対象商品: 父の帽子 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) (文庫)
茉莉さんの初期の随筆を集めた本です。なので、後年の"気紛れ書き"や"ドッキリチャンネル"に見られるような毒、というのか悪態をつく茉莉さんは見られませんが、この頃の文、とてもしっとりして大好きです。パッパ、鴎外のことももちろんですが、美人で誤解されやすかったお母さんのことを書いてる随筆がとてもいいです。なによりもよく子供の頃のことを覚えているなぁと、驚かされます。子供の頃のタオルの感触や、庭に咲いてた花の匂いや色、お味噌汁の鍋の底でカラカラいう貝の音まで細かく随筆にしたためられて、美しい映像を見ているような気になります。この本で茉莉さんは本格的な文壇デビューを果たしたのでしたね。
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 素の森鴎外, 2005/4/28
レビュー対象商品: 父の帽子 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) (文庫)
森茉莉さん、といえば明治の文豪、森鴎外の長女。

彼女は1903年、東京駒込の観潮楼で生まれてからのち、
父鴎外の愛情を一身にうけていた、というのは周知の事実だったそうです。
その、鴎外への尽きせぬ思いを茉莉はつづっていた、というのです。

この「父の帽子」のなかで現れる鴎外は、本当に茉莉さんにメロメロなのです。
そして、茉莉さんも父親にメロメロなのでした。
まるで、恋人のような。

茉莉さんは父親の勧めで17歳で結婚され、二男をもうけますが
まもなく離婚、二度の結婚は二度とも失敗しているのです。
それは、密かに鴎外という「理想の男性」を見てしまったから、ではないだろうか
そんな気さえしてしまう。

「よし、よし、おまりは上等よ」

ここまで溺愛を受けたのは、他の兄弟たちのなかでも茉莉さんだけだったのかもしれません。

彼女は両親の様子を書き綴っているのですが、
ふたりを思い、そのふたりに愛された幼少のころの思い出で十分生きているような
そんなおばあさんだったのかもしれない。
母志けさん、という方はとても気性の激しい女性だったといいます。
悪妻、といわれたこともあったけれど
ただ、必死に父を愛していたのだ、と
「舞姫」の豊太郎を愛したエリスのように・・・

わたしもファザコン気味なところがあるので
父の背中、というものにいつも頼ってしまう
茉莉さんのお父さんのように、有名人ではありませんが・・・

今頃、茉莉さんは天国で、父親に甘えているのでしょうか。
そんなことに思いを馳せて、すこしにっこりしてしまうのです。

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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 深い洞察力」と古きよき時代が感じられます, 2009/10/20
レビュー対象商品: 父の帽子 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) (文庫)
文豪森鴎外の娘だけあって、感性の豊かさを感じました。特に子供の頃の回想の部分は、色々な意味で感心しましたね。幼いながらも父鴎外の心情を見抜いているようなところとか、ほんの小さなことにもそこから何かを感じていた著者の洞察力には驚きました。母についても同様に深くその心を読み取っていて、やはり普通の子ではないんだなと思いました。また自分自身をも冷静に見つめている部分があり、無邪気な子供の部分もあり、不思議な人だと思いました。当時森家が住んでいたあたりの様子や家から見える景色、今は失われてしまった文化や風俗が実に生き生きと描かれています。この作品を読んで鴎外と言う人がとても身近に感じられました。子供を溺愛するやさしいお父さんです。両親の愛情を一身に受け、自身もまた両親を深く愛していたと言うことがよく伝わってきます。明治時代にタイムスリップしたような感じで楽しく読むことができました。
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