基本的に著者が証券会社のアナリスト故の内容だと割り引いてみなければいけない内容だった。太陽光発電はドイツ、スペインで爆発的な成長を記録し、あっという間に日本を抜き去った。これをめがけて、ここに積極投資と積極参入を呼びかけるような内容となっている。
2月下旬、日本でもドイツ、スペインのような太陽光発電の長期高価格買い取り制度(フィードインタリフと呼ばれる)の導入が決まり、太陽光産業は日本でも再びブームを起こすでしょう。その際の悲観論を払拭し、楽観シナリオのみを提示しているように思えました。
確かに、太陽光は半導体技術と近く、日本の得意分野でもあり、日本はこれを最大限生かす必要はあります。しかし、同時に太陽光発電には固有の問題点、弱点もあり、このマイナスポイントの提示とその解決策の低減までなければ片手落ちだと思います。
また、内容的にはかなり専門性の深い内容も含まれており、これは初心者向けではなく、業界関係者、エネルギー関係者、官庁、研究者などを対象にした内容に近いと思います。
中立性を持ち、分かりやすい本としては、最近出版された「波に乗れ にっぽんの太陽電池―温暖化のリスクをチャンスに変えるシナリオ」の方が、一般の人には良いのではないかと思いました。
太陽光発電(含む太陽熱発電)は大きな可能性を持ち、大ブレイクする可能性はあるのは確かだと思います。ただ、それを過度に煽る必要性は無く、紹介書の帯にある「慌てず急げ!日本の太陽電池。」が適正な業界の発展とCO2削減に寄与できると思います。