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15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
軽いけど濃い。,
By
レビュー対象商品: 燃えるスカートの少女 (単行本)
描かれる事象は突飛なものばかりなのですが、そこに見出されるものは都会に住む人の、あるいは自分を見失った人達の切実な孤独感でした。恋人がサンショウウオになったり、母が祖母を産んだり、小鬼と人魚が高校に通っていたり、火の手と氷の手を持つ少女達がいたりと並のファンタジーより奇抜な世界なのに、登場する女の子達のなんと現実的なことでしょう。ベンダーの描く女の子達は容姿も充分魅力があって、強面の世界に対して張り合っていくだけの自信も備えていて、一見したところ夢をかなえる資格充分なのですが、やはりそこにはままならぬ世の理があって、それに直面した時あたりはばからぬ孤独感に苛まれてしまいます。読者は、その孤独感に一種の『せつなさ』を感じ、彼女達の切実な訴えを噛みしめるのでしょう。軽く読めてしまいますが、なかなか濃い一冊でした。
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
切ない、でも何か幸せ・・・,
By カスタマー
レビュー対象商品: 燃えるスカートの少女 (単行本)
この作品に収められている短編に共通している点は、「切ない、でもどこかに必ず癒しがある」ということだと思う。どの作品も「こんなできごとが実際に自分の身に起こったら、奇妙だなあ」と思える不思議な出来事が必ず取り上げられているのだが、描かれている人物たちが素直なせいか、切なさを味わいながらも清涼感が残るのである。読み進めていくほど、(こんな言い方をして支障がないなら)ベンダーマジック、そして訳者のマジックによって、非日常的な、作品の世界に引き込まれていくのである。『燃えるスカートの少女』は時間に忙殺される日常において、素直さや想像力を思い出させ、スパイスの役目をしてくれる作品集である。
4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
せつなさとやさしさ,
By
レビュー対象商品: 燃えるスカートの少女 (単行本)
この本に収録されているどの短編にもいえることなのかもしれないけれど、11番目の短編「癒す人」は、せつなさと残酷さとやさしさが同居しあうような、複雑なおもいを喚起させる作品だ。この作品には、火の手をもつ女の子と、氷の手をもつ女の子が登場するのだけれど、この異質な二人の少女の断絶と交流をとおしてえがきだされる物語はうつくしくもかなしい。結末は幸福的ではないはずなのに、いやむしろひじょうに残酷なはずなのに、最後の一節はかぎりないやさしさに包まれている。なんどもなんどもかみしめて読みたい作品だ。グリッサン、コンデ、アジェンデといったカリブ海=アメリカ文化圏の作家たちを伴侶に、おわりなき言語と思考の旅をつづける訳者の新著『コヨーテ読書』もあわせて読んでみた??。
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