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土方歳三とはこんな男だったのか・・・・・立ち会いのシーンやお雪とのひととき、新撰組の終焉の場面などはあまりに生々しく、映像で見るよりはるかに真に迫っている。すばらしい本に出会えたと感謝している。
司馬さんを初めて読んだのが「菜の花の沖」で以来、ちょっと回りくどい
文章なのではと、敬遠気味でしたが、本書を読んでとにかく、その筆致
の見事さに感嘆。土方の「和泉守兼定」のごとく、司馬さんの筆は若く
冴え渡る切れ味で、短い文章なのに目の前にありありと情景が浮かんで
来ました。
本書を読むきっかけになったのは、先日終わった大河ドラマ「新撰組!」
でしたが、前半は、大河で演じた「山本耕史」君の面影をイメージ
しながら、ぐいぐい引き込まれて行きましたが、流山で近藤と別れた
後からは、実在の土方象に近くなり、最後には完全に、「土方歳三」
という一人の人間の存在をありありと感じるまでになってしまいました。
私個人としては、京都での若く自信に満ち、華やかな前半の歳三よりも
鳥羽伏見の戦い以降の歳三の方が断然好きです。
たぶん、彼が亡くなった年齢に、今近いからなのでしょう。
全て自分が作り上げた「新撰組」という枠が、崩壊してしまい、
時に、学問の高い幹部に混じって軍義をしなければならない。
本当に居心地の良い場所は無くなってしまった、若干の寂しさと
無学かもしれないが、それでも誰よりもクレバーに光輝くその頭脳が、
読んでいて凄く眩しく感じました。
登場回数は少ないけれど、最愛の人であるお雪との挿話も、女性なら
涙無しには読めないでしょう。司馬さんはこんなに的確に男女の
機微も表現出来るのかと、それも新たな発見でした。
少ない逢瀬ながらも、その関係が微妙に変化しているあたり、
より、リアルに歳三という人を感じました。
一度読んだ本を二度読む事は滅多に無いのですが、この本は
読後もなかなか手放せません。伏見の所から、再度読み直しを
している所です。
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