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熱学思想の史的展開〈1〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)
 
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熱学思想の史的展開〈1〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫) [文庫]

山本 義隆
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ニュートン力学のあとを受けた18~19世紀は、熱をめぐる世紀となった。なぜ熱だったのか?本書は、科学者・技術者の実験や論理を丹念に原典から読みとり、思考の核心をえぐり、現代からは見えにくくなった当時の共通認識にまで肉薄する壮大な熱学思想史。迫力ある科学ドキュメントでもある。後世が断ずる「愚かな誤り」が実はいかに精緻であったかがじっくりと語られる。新版ともいえる全面改稿の全3巻。第1巻は、熱の正体をさぐった熱力学前史。化学者ラヴォアジェが熱素説の下で化学の体系化をなしとげ、より解析的に熱を取り扱う道が拓かれるまで。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

山本 義隆
1941年、大阪府生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 386ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/12/10)
  • ISBN-10: 4480091815
  • ISBN-13: 978-4480091819
  • 発売日: 2008/12/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Bookie
形式:文庫|Amazonが確認した購入
1987年に現代数学社より出された熱学史の好著の”改定版”である。
書名およびカバーに”改定版”の記載がないのが残念である。

著者のここ20年の成果を反映すべく全面的に手が入れられており、
巻末の注は1.5倍程度に増えている。
大幅に追加変更された個所は少ない。
文庫化するに当たり活字を再度起こすとのことで、
筆者の希望で全面的に手が入れられている。

1987年発行のオリジナルを持っているので、
当初購入するつもりがなかった。

本書は小説や随筆ではなく、読みやすく書かれているものの、
あくまでも学術研究書であるので、出版社対しいくつか注文がある。
・1987年発行のオリジナルと同じA5判ハードバックでも出してほしい。
・参考文献が第3巻にまとめられているので、
 月に1巻ずつ発刊ではなく3巻同時に出してほしい。
・書名およびカバーに”改定版”と記載すべきである。

(追記)
節が追加されている部分については、
第2分冊のレビューに記載した。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 アリストテレスの「質の自然学」を克服し、「自然を計算し、秤量し、測定する(to number, weigh and measure)」して定量化していく中で(p.129)、最も身近な自然現象である燃焼の原理や熱とは何かを探る人類の歩みを悠揚迫らず描いていて感動します。

 ガリレオ(1564-1642)の温度計は《熱現象の定量化の発端》でしたが、そこから150年後に質量保存の法則を発見したラヴォアジェ(1743-1994)でさえ、燃焼とは物質と空気のひとつの要素である純粋空気が結合したものと主張して、焼素(フロギストン、Phlogoston)が空気中に出ていくという焼素説を追放したにもかかわらず熱素(calorique)を提唱していました。化学に革命をもらしたラヴォアジェでさえ…ということは、どれだけ、燃焼と熱の原理を探る人類の旅が困難を極めたものか、ということを教えてくれます。

 「再刊にあたって」で社会的な背景の記述を補った、と書いていますが、《オランダとイギリスは、三次にわたる英蘭戦争にもかかわらず、反カトリック・反フランスという一点で、政治的に密接な関係を保ってきた》(p.206)というあたりから、ニュートンに影響を受けたライデン大学のブールハーヴェの業績を語るところなんかが、そうなんでしょうか(元の単行本を読んでいないのでわからないのですが)。

 このブールハーヴェから第2部が始まるのですが、18世紀中期以降、イギリス科学の重心はイングランドからスコットランドに移った、というあたりもなるほどな、と(p.237)。産業革命はスコットランド人が担ったというあたりは、天川潤次郎さんの本あたりをいつか読んでみたいと思いました。
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25 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Darkguy
形式:文庫
 えーと、年上の著者のレビューでふざけたタイトルでなんですが。。。。星一つ減らしたのは、さすがにこの内容の読み手は限られるだろ、と言う意味で、本来の評価としては5つ星以上です。
 1-3巻を通してのレビューのつもりですが、一番興奮したのは、第2巻のジェームズ・ワットのくだりです。原子分子の存在も茫漠としている時代に、巨大な数理能力と悪魔のごとき観察眼をもってして、「気体」「温度」「エネルギー」などの諸概念を力技でねじ伏せ、永遠に回り続ける「engine」を創造し、そして彼は知性の力によって世界を「作り変えて」しまったわけですね。一方、200年後の我々、現代のengineerは、コンピューターと3D映像による「可視化」に頼るがあまり、ちまちまと「見る」ばかりで「観る」ことを忘れ果て、脆弱な「エロイ」(By H. G.ウェルズ )へと退化してしまった。。。。実に悲しみにたえません。著者が分子統計を避けたのも、「定かならぬものを数理と推論の力で捉まえる」営みに焦点を当てたかったからに違いないと感じました。もう一つ、第3巻での相の共存をVとSの座標軸で表現するギブズの方法論の解説にも目からうろこが落ちました。
 話は飛ぶけど、若い頃にノーベル賞受賞直後の福井謙一の講演を聞く機会があって、化学理論の「非経験化」と言うことを何度も強調していたのが、妙に耳に残ったものです。その頃は内容も分からないし、何を言おうとしているのかさっぱりつかめなかったけど、この本を読んで発言を思い返し、「ああそうだったのか」と今さらながらに納得する部分があります。20世紀でも偉い人はやっぱり偉い。でも、さて21世紀の我々や後続の人間たちは。。。。と思い返すと、やっぱりお寒いような気がしております。
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