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最も参考になったカスタマーレビュー
33 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「広がり」を感じる名著,
By カスタマー
レビュー対象商品: 熱い書評から親しむ感動の名著 (単行本)
必要な情報を得ようとするとき、今や本なんてあまり役に立たない(たぶん)。効率的に情報を得たいならネットを覗けばいいからだ。もちろんネットにはいい加減な情報も溢れている。でも、そもそも今の社会っていうのは、そんな情報に基づいて動いてしまっている部分がある。というか、「情報」なんてそういうものだ。いやな言葉だが、そこらへんは「自己責任」であると言ってもいい。中学校の国語教科書から漱石が消える、たとえばそんな「情報」に危機感を煽られた人たちが「あらすじで読む~」なんて本を買う。それはいい。「一般常識」とか「教養」みたいなものをある程度共有できていないと、確かに社会は少しばかり暮らしにくくなると思うから。 でも、小説とかっていうのは本来そういうもんじゃないでしょ。プロフィールやら何やらから人間を知ることなんてできないのと同じように、あらすじで小説がわかってたまるか……なんてことを思っている人が、もしいるとするなら、そんな人には是非この本を読んでもらいたいと思う。 取り上げられている本に違和感をもつ人もいるかもしれない。正直言って私もそうだった。「ん、これって名著か?」と首を傾げつつ、同時に「一億総情報発信者的時代の象徴のような本じゃないか、これ?」と反感を持ちながら、読んでみた。 66人の「草の根書評者」たちが、一所懸命「自分にとって大切な本」について書いている。なかには、少々気恥ずかしくなるような文章もある。でも、「自分にとって大切なものだから、それを皆に分かち合いたい」という純粋な気持ちは、そもそもが少々気恥ずかしいものなのではないだろうか。 こういう本に出会うと、私はすごくホッとする。そして、また本を読みたくなる。さらには、自分が感動した本について、誰かに分かち合ってみたくなるのである。 そんなふうな「広がり」を感じる名著(迷著?)であるなあ、と思った。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「まるごと」味わう ~あらすじの罠からとおく離れて,
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レビュー対象商品: 熱い書評から親しむ感動の名著 (単行本)
本書はあらすじ本とは真逆のコンセプトでつくられている。あらすじ本が本物の代替物ならば、こちらは原著にあたりたくなるガイドとしてある。名著のダイジェストが何十冊分か読めるならば、一見あらすじ本のほうが「お得度」で軍配があがるようにも思える。しかしよく考えてみてほしい。要約者の判断によって(傲慢にも?)言葉が本来あったはずの文脈から剥ぎ取られ、遊離し、いわば「魂」を抜き取られ、やせ細ってしまった「あらすじ」によって何が得られるというのだろうか。あらすじを全否定はしないが、原著にあたる機会からむしろ遠ざけてしまっているのではないかという疑問が残る。 それに対し、ほんとうにその本が好きな者によって書かれたここにある書評は、手っ取り早い知識の吸収にはならないかもしれない。が、ここに紹介される書評にうたれたならば、すぐさま本屋に走ってでも原著を買い求め、貪るように読みたくなる気持ちを起こさせる。現に自分は本書で紹介されている『アメリカの夜』(阿部和重)や『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』(穂村弘)を原著で読んでみた。期待にたがわぬおもしろだった。「まるごと」読んでみなければ、その人にほんとうの意味で影響を与える作品には出会えないと思う。そういう意味で、これから読者となる人はここに紹介されている66冊に期待を込めていい。 またこのサイトにも購買の際に参考になるレビュー(書評)が評価つきで多く寄せられているが、オンライン書店が一般人からのそういった生の評価を募ることで、従来の上から下へ(権威あるメディアから大衆へという流れで)本を評価する動きに対して、「読者の復権」というか牽制というか、健全なバランスを保つことを促している気がする。「本屋大賞」なども同じような現場からの声を届ける動きという意味で意義があると思っている。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
書物への新しい返事の形,
By patella (千葉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 熱い書評から親しむ感動の名著 (単行本)
オンライン書店への書評投稿者が書いた、名著の書評。「あらすじ本」では本の本当の面白いところは伝わらない、自分で読んでみたらと思って欲しいという企画は成功していると思います。そしてこの本自体が、ネット上の本屋に書評を書く、ということが本という物に対しての関わり方を変えつつあることを感じさせるものになっています。「何気なく、本に対して「返事」(それが書評の形をとってもとらなくても)が出来るとよいと思う」と、「はじめに」に編集長が書かれています。 本というものが著者の意見を世に問うものであるのならば、それに対する返事も当然あってよいはず。昔から、本に読者の意見を問う葉書が入っていたりもしていました。でも普通これは他の読者には余り知られないままで終わります。学校の読書感想文なども、クラスや関係者などの間で読まれる程度で、新たな読者や反響を呼び起こすものにはならないようです。 書評も、ネット上で一般読者が提供することができるようになり、専門家が書いて一般読者の選択の助けとする類のものであったころとは随分様変わりをしたと思います。確かに一般読者の書評は一つの新しい「書物への返事」の形なのでしょう。匿名でありながら節度を持って意見を発信していくことの難しさ、それゆえの面白さもあります。書評という形で書物に書かれた返事自身が、また一つのメッセージとして、書物から発信されたメッセージを二次的、三次的な波にして広げていく力もあるかもしれません。書物自身と同様、書評にも命の短いもの、長いものはあると思いますけれど。 書評一つ一つが読書心を誘うだけでなく、「書評」というものを考えさせてくれました。
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