熊川版として 渾身の「くるみ割り人形」です。
億単位を投じた舞台、大きさ、形まで 何度もデッサンを書き直させた時計、
何度も模型で試行錯誤した背景、
微に入り細にわたり 近くで見なければわからない程
凝った細工が施された絢爛豪華な衣装の数々を生み出す苦労が
メイキングシーンに納められ、それを先に見たほうが感動が増すかもしれません。
とかく気難しいとか、生意気だとか言われがちな彼ですが、
特典シーンで垣間見える 外国人スタッフと細かい状況設定など納得いくまで話し合える
大変流暢な英語力を駆使してのコミニュケーション力からくる自信と、
カンパニー全体を牽引していかなければならない責任感が肩にかかっていることを思うと、
多少頷けるような気がしました。
私は熱い”くまてつ”ファンではないので、必死になって彼を追うことなく全体を楽しむことができました。
誰もが驚嘆する彼のバレエ技術は言わずもがななので、
かえって 初めて見た康村和恵さんの気品ある踊り方に虜になってしまいました。
長く伸びた指の優雅さ、日頃の厳しい鍛錬からくるブレをまったく感じさせない安心感、
特に元来の運動神経の良さを思わせるスピード感が 熊川さんに負けず劣らずだったと思います。
グラン.パ.ド.ドゥは 優美さと精進の賜物の最高潮で 何度も何度も繰り返し見ましたが
その度に涙が出てきました。
「中国の踊り」の絶妙なコンビネーションにも唸ります。
若いエネルギーがあふれたカンパニーのこれからに期待が膨らむDVDです☆☆☆☆☆