デマルコは、リスク管理を「リスク管理は大人のプロジェクト管理だ」(第2章)の一言で定義している。子どもは都合の悪いことを知らなくてもよいが、起こりうる悪い事態を認識し、それに備えるのが大人である。それこそまさにリスク管理であるということだ、と。プロジェクトにとって望ましくないリスクを半ば無意識に葬ってしまうことや、「間違えるのはかまわないが、不確かなのはだめだ。」(第6章)とする旧来的な企業文化は厳然として存在するが、デマルコは、「バラ色のシナリオだけを考え、それをプロジェクトの計画に織り込むのは、子どもっぽいとしか言いようがない。」(第2章)と言い切る。
とはいうものの、やはりリスク管理は難問だ。なぜなら、わからないものを数量化しなければならないからだ。本書では、数学的だが難解ではないグラフを用いて不確定性を具体的な数値に置き換えることで、不確定要素を有限なものとし、コストを最小限にすることを試みる。そして、最終的にはどこまでリスクをとれば価値に見合うのかの論理的な解説がなされる。リスクの正体と予測及び対処方法に関してひとつの指針が打ち出されたという点で、少なくともプロジェクトマネージャの地位にある人は目を通すべき1冊だ。しかし、本当に本書の内容を理解する必要があるのは、プロジェクトマネージャーのさらに上に立つ管理者や経営者かもしれない。(大脇太一)
(日経バイト 2004/04/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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リスク管理をせずにソフトウェア開発プロジェクトが失敗すると、裁判に
なったら負けるのだ。一生懸命やって遅れたらごめんなさいではすまない
のだ。なぜ遅れるのだ。リスク管理をしないからだ。かいつまんでいうと
そういう話だ。
いままで、リスク管理の本といえば、「こうあるべきだ!」というべき論
しか書いてなかった。それができるんならとっくにやっているという話ば
かりだ。この本のおかげで、やっと本当のリスク管理とは何かがわかった
ような気がした。
いつも開発スケジュールが遅れるプロジェクト管理者にはぜひ読んでいた
だきたい。なぜなら、遅れる原因はあなたか、あなたの上司がリスクを負
わなかったからなのだから。
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