藤原さん作品、初読書です。
人の感情に真摯に向き合っているというか。この作品に関してはそう感じました。アルトとフォグはお互い大切に思いあっているけれど、作者はそれを簡単に恋だと言い切ってしまわない。淡々とそれぞれの感情や行動の描写を積み重ねて読者に2人の関係を想像させる。何だかそういうのもいいなあと。2人の理解者であるイオとリチャードの心遣いにほんわか。メネレックやマーガレットもいい。城の人間には妙に愛着が湧いてしまった。
世界観も好み。独自の設定も楽しいし、産業革命の頃のイギリスをベースにしてあるので、ハイファンタジーでありながらもすんなりこの物語の世界に入っていけました。ただあまり世界史に明るくないので、他国がどの国にあたるのか分からなくて悔しい思いもあり。分かる人にはもっとニヤニヤ出来るんだろうなと。もちろん世界史の知識が全くなくとも十分に楽しめる内容です。
あと、アルトが術を発動させる時の詠唱が、アルトのキャラクターとぴったり合っていて可愛い。