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南国の町。花や果物の香り、生暖かい官能の気配の中に、ぐいぐいと引き込まれる。次々に登場する人々が、高潔さや純粋さ、低俗さや狡猾さを見せながら迫ってくる。僧侶Xの素性探しをしながら、いつのまにか、仏教とは、アジア人とは、西洋とは、人が老いること、死ぬこと、時間とは、記億とは、という根源的な問いを、著者とともに考え、一緒に旅することになる。
いくつかのスリリングな知的興奮を味わったあと、蓮華座をくんだ、白い清らかな炎に包まれたイメージが浮かび上がる。それと一体化したような、心地よい気分にさせてくれる作品だった。また、これから2度3度と読み返したい。
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