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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
完結編の「Vortex」が読めるのはいつになるのか?,
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レビュー対象商品: 無限記憶 (創元SF文庫) (文庫)
前作『時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)』の30年後の地球が舞台。仮定体のもたらしたアーチによって別の惑星と地続きになった世界で、延命処置を受けた第四期世代が共同体を作って暮らす。家族を捨てて失踪した父がその共同体と接触しているのではないかと推測したリーサはその地へ向かうが、第四期を脅威に感じる政府の組織DGS(遺伝情報安全保障局)による追跡を受けて…。 続編の要諦は仮定体との意思疎通を図ることを目指して創りだされた少年と彼のもとへ蝟集した第四期の人々の逃避行です。 リーサと前夫ブライアン、そして冒険を共にするタークとの人間模様が大人のドラマを展開させて、SFの筋立てとは別に魅力ある物語を構築していきます。 正編からがらりと変わった地球で彼ら新しい登場人物たちが惹起する事件の途上で、懐かしい顔が突如出現して、思わずにやりとさせられます。 その人物の齢を重ねた姿での登場を目の当たりにして、フィクションとはいえ30年という歳月の流れを確かに感じて不思議な思いにとらわれました。 物語の終盤で見えてくるのは、仮定体とは何らかの生命体というよりはある種のネットワークであり、そこに森羅万象の記憶が記録された媒体のようなものであるということです。 そこで思い出されるのは、以前読んだ『決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)』。あのSF小説の中でボーマン船長を飲み込んだのは、何らかのコスモ・エネルギーのネットワークじゃなかったでしょうか。仮定体と『2001年宇宙の旅』のネットワークが重なって見えてきました。 訳者あとがきによれば『無限記憶』にはVortexという完結編が予定されているものの、アメリカ本国で今も未発表のままだとか。 仮定体の物語が『2001年』とは異なる道筋をたどるのか。 そもそも仮定体の実態は明かされていくのか。 訳者とともに続編の登場をじりじりと待つ日がしばらく続くことになりそうです。
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
デザスター→ホラー→神学??,
By すら (横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 無限記憶 (創元SF文庫) (文庫)
今作はストーリーがほとんど進まず、ちょっと不満です。出し惜しみしないでよ、それともまだ考え中?、って感じです。モードがガラっと変わってますね。前回の大舞台に比べ、今回は時間的場所的人物的に局所的です。テーマ的には前作がサバイバルだったのに対し、今作は仮定体の謎解きに変わります。小説のジャンル的にはデザスターからホラー(またはファンタジィ)に変わっちゃいます。驚くほど科学は出てきません。仮定体は不定形な灰として出現し、理解不能、そもそも知性など持たないのではないか、みたいな設定はレムの"ソラリス"っぽいです。知性体と接触すべく改造された少年アイザックは、ディックの"火星のタイムスリップ"の未来を透視する自閉症少年を連想させます。あとハインラインの"異星の客"は相変わらず背後にいますね。てな感じで急激なギアチャンジで戸惑いますが、私はこういう話も好きです。次作のモードは神学になっちゃいそーすか? ところでタイトルの"axis"はどこからきたんですかね。
7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
深まる謎,
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レビュー対象商品: 無限記憶 (創元SF文庫) (文庫)
昨年出版された『時間封鎖』の続編というか、後日談。数十年後という設定で、引き続き登場する人物もいる。『時間封鎖』で解き明かされなかったというか、より深まった謎が、この『無限記憶』で、一部明らかになるとともに、さらにまた深まった。地球を時間封鎖した仮定体とコミュニケーションをとるにはどうしたらいいのか。寿命を延ばすための第四期の処置は、これとどう関わるのか。前作で張られた伏線が生かされた展開になっている。 『時間封鎖』は、昨年度翻訳されたSF小説の中でも群を抜いて面白かったが、この『無限記憶も』それに劣らずスリリングな展開で面白いが、前作を読んでいる人にとっては、この結末はある程度想像がつくものだった。 しかし、まだ謎はすべて解き明かされていない。第3作が楽しみだ。
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