骨格がもろく、背骨がまがっているハンディをもった、軍人貴族マイルズが主人公のSF小説が三篇納められた本です。
肉体的なハンディを頭脳と勇気でカバーして帝国士官学校を卒業した彼が、遺憾なくその能力を発揮して活躍する様子が描かれています。
「喪の山」 国守として、シルヴィー谷でおきた「嬰児殺害」の犯人を探し出す物語です。
村に滞在している間に起こる出来事によって、マイルズ自身が国守として成長する姿が描かれます。
「迷宮」 自身が提督として率いるデンダリィ傭兵艦隊の提督として「ある医療技術者」の人員回収の仕事を遂行する物語。
遺伝子操作のコレクションを持つ屋敷で捕らえられ「怪物」のいる迷路のような地下室に閉じ込められてしまいますが…。
マイルズが自身の身を守るためについた「ウソ」が「本当」になっていく様子が痛快な作品です。
「無限の境界」 捕虜を捕らえておくための力学ドームの中に、捕虜の一人として潜入したマイルズ。
服さえも剥ぎ取られた後、裸の身体のまま「話術だけ」で、だんだんに無気力だった捕虜達をまとめあげていきます。
何もない絶望的な場所で、希望をもたせることに成功していく様子が見事な作品です。
どの話もテーマがはっきりしていて「知力で勝負していくマイルズ」の活躍がじっくり楽しめます。