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無邪気と悪魔は紙一重 (文春文庫)
 
 

無邪気と悪魔は紙一重 (文春文庫) [文庫]

青柳 いづみこ
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

「宿命の女」と称される美しい悪女たちがいる。男を惑わせ、じらし、振り回したあげくに破滅に追いやる女。サロメやカルメンをはじめ、小説とオペラに現われる彼女たちの本性を徹底分析。
【編集者よりひとこと】
いやー、女とはげに恐ろしき生き物です。才気あふれる女性ピアニストが自らの体験もまじえながら(?)「宿命の女」の生態を徹底調査した本書を読むと、ほんとに男は単純で一途、女は面妖で不可思議という事実が得心され、以後、男たるものゆめゆめ美しき魔物の半径5メートル以内には近づくまいと決意することでしょう。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

男を惑わせ、じらし、振りまわし、最後には破滅に追いやる、美しくも恐ろしい「宿命の女(ファム・ファタル)」。太宰治、泉鏡花、谷崎潤一郎、有島武郎から『マノン・レスコー』『カルメン』『サロメ』まで、小説とオペラに現れる彼女たちの本性を徹底分析し、女性そのものの本質に迫るスリリングな論考。

登録情報

  • 文庫: 278ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/03)
  • ISBN-10: 4167773570
  • ISBN-13: 978-4167773571
  • 発売日: 2010/03
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
巧い。巧すぎる。ここまでやると嫌味であるというほどうまい。

これは本当にピアニストなのか? お爺さんが仏文学者の青柳瑞穂であろうが、なかろうが、ちょっと巧すぎやしないか?

母方の祖母を描いた表題作の1篇「無邪気と悪魔は紙一重」では、阿部次郎や安倍能成といった旧制高校教養主義のブランドが祖母の友達として登場する。高田里恵子なら意地悪な冷笑を浮かべるだろう(?)。
その点、コテコテの教養主義の風味もないではないが、センスは全然悪くない。常にギリギリのところでアナクロになっていない(と思う)。

いつになく、本書から男は何かを学べるかなどというクダラナイ考えに耽ってしまった。
評者はまだ読んでいないが、この著者の『水の音楽 オンディーヌとメリザンド』では、<水の精たちを、その誘惑の方法別に四種類に分類>しているらしい。

●網を張る女
●出かけていく女
●ひきずりこむ女
●何もしない女

が、その4種類で、上から順にフーケー『ウンディーネ』(ホフマンがオペラ化)、ベルトラン『夜のガスパール』(ラヴェルのピアノ同名曲中「オンディーヌ」)、ギリシャ神話のセイレーン(ドビュッシーの管弦楽曲『夜想曲』の「シレーヌ」)、ギリシャ神話のゴルゴーン(クセナキスのピアノ曲『エヴリアリ』。この曲は聴いたことなし)が、それぞれ該当する物語と音楽作品となる。なるほどなあ。

本書でもこの4分類が随所に顔を出して、そのオソロシサが実証検分されていく。
太宰、鏡花、谷崎、『マノン・レスコー』、『カルメン』、『サロメ』等は勿論のこと、有吉佐和子、渡辺淳一の初期作品までが登場し、読まなくちゃと思わせるのである。
渡辺淳一の本など手に触れたこともないのが、我が読書人生の貧しい誇りであったのに(大変申し訳ない物言いだが、偏見に塗れているのです。お許しを)、青柳の紹介する渡辺作『阿寒に果つ』は読まないと一生の不覚とさえ思えてくる・・・・。

こういう本を書く著者こそが、“ファム・ファタル”に思えてくるなあ。

この人のCDは逆に怖くて聴けなくなってしまっている。1枚も持ってすらいない。しつこいけど、ピアニストなんだよな。
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形式:単行本
ファム・ファタルとは何ぞや。辞書的には「抵抗できない魅力を持ち,惹かれる者を破滅させるために運命から遣わされたような女」ということであるが,著者は「男を犠牲にする女」とともに「男の犠牲になる女」も考慮に入れている(p.51)。
目次が正確に本の内容の羅針盤になっている。「無邪気と悪魔は紙一重」「ファム・ファタルは男だった」「こばみ,じらす女」「子宮は翻弄する」「美しき勘違い」「オペラになったファム・ファタル」。以上が章のタイトルであるが,各章で代表的な小説などがとりあげられ,登場する女性たちをファム・ファタルのタイプでカテゴリー分類され,著者の分析がなされている。
ご本人は否定しているが,かなりの読書家。「私が,通常はかなりの読書狂でなければ知らないような本を読んでいるのは,膨大な読書量を誇るからではなく,ただそれらの本がそこにあったから」(p.137)と語っているが・・・。本の表題は太宰治の「カチカチ山」から。
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