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無花果日誌 (文芸シリーズ)
 
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無花果日誌 (文芸シリーズ) [単行本]

若合 春侑
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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   生意気ざかりの17歳の本音を、瑞々しくつづった青春小説である。著者の若合春侑は、『脳病院へまゐります。』で昭和初期の男女の倒錯した愛を描き、小説家としてデビュー。実父を題材とした『海馬の助走』では、野間文芸新人賞を受賞した。作品ごとに時代背景や文体を自在に操り、独自の世界を築いてきた作家である。本書は、現代を舞台にしながらも、主人公を「女学生」と呼びたくなる、レトロな雰囲気を漂わせた作品だ。

   本物のお嬢様になることを目指し、県内一の名門カトリック女子校に通う岩岸桐子。ひとつ年上の彼、郁くんとの恋、クラスメイトとの摩擦、そして母の死。少女から大人になる途中の、敏感な年ごろの日常を、痛みやすく、グロテスクにも見える果物、無花果(イチジク)になぞらえて描いている。女の子のひとりごとをつづったような、日記調の語り口が特徴だ。

   登場するエピソードは、思春期のころ、だれの身にもおぼえのある通過儀礼といえるものばかりだ。「お下劣な」環境で育ったことをひた隠しにしていた桐子が、教師たちの教えに疑問を持ち、自分は「似非お嬢様に過ぎないのだろうか」と考える。性や大人社会に初めて対峙した少女が、やがて芯の強い女性に変わっていく姿が、凛としてたくましい。主人公の成長録をベースに、背伸びするほど滑稽になってしまう年代のおかしさを描き、随所にチクリとした皮肉を散りばめる。正統的なストーリーの裏に毒をひそませた、ひとひねりが効いている。(砂塚洋美)

出版社/著者からの内容紹介

かたくて、やわらかい17歳の一瞬…。


登録情報

  • 単行本: 203ページ
  • 出版社: 角川書店 (2002/03)
  • ISBN-10: 4048733540
  • ISBN-13: 978-4048733540
  • 発売日: 2002/03
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 493,405位 (本のベストセラーを見る)
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
確かこの作品の単行本が出たときの書評に”女の子版・赤頭巾ちゃん気をつけて”とあったのを記憶しているが、読んでみるとそんな雰囲気だ。

コドモじゃないけどオトナじゃない、賢いけど小利口じゃない、消化できない感情や怒りや切なさがないまぜで、行きつ戻りつぐるぐるしてしまう感じが『薫クン』的。本当に私が高校生だった頃に読んだとしたら、どんな感想を持っただろうと、ふと考えてみたりした。

それにしても、以前に読んだ”腦病院へまゐります。”とは極端に文体が違うことに驚いた。
解説にもあったように、描く題材によって書き方を大きく変える作家なのだろう。こうなると、当然他の作品も読みたくなる。
これからの作品も楽しみだ。

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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
母をなくして、父の八百屋の仕事を手伝いながら、家事もこなしている主人公はカトリック系のお嬢さん学校に通っている。その学校での硬直した教育のやり方に疑問を投げかけたり、いやなクラスメートに手を焼いたり、死んだ母のことを思い出したりという、日常の心情をありのままにつづった日記形式の小説です。

この中でのクライマックスは、憧れの男の子との初体験で、これはなかなかロマンチックな場面です。いろいろなことがありながらも前向きで明るい主人公はクラスに一人くらいはいた、清らかでまっすぐな子、という感じ。ひねくれものの私にはちょっとまぶしかったです。また、「イケナイ」「○○クン」というカタカナ書きが20年位前の女子高生を連想させ、いつの時代だろうと首をひねりましたが、オートロックのあるマンションなどがでてくるところをみると、最近の時代みたいですね。どこかレトロな雰囲気を漂わすのがこの作家の特徴なのでしょうか。

それにしても、初体験後に「実は東京に進学するんだ」と告白する男の子ってずるいな。

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形式:単行本
わかいすう”と読みます。今までに3回芥川賞にノミネートされています。
この作品は、女子高生の気持ちを等身大に描いたとっても瑞々しくて新鮮な恋愛・青春小説です。

女性が読まれたら、きっと過去の自分の経験を思い出す事でしょう。
なんといっても、独自の世界観を持った文章が生々しく綴られています。

地方の八百屋の娘であるまさに青春小説にうってつけと言わんばかりの主人公が、成長していく姿を日記風に綴った物語であるが、17歳の女性の恥じらいと好奇心をビビッドな文体で表現しているので、男性の視点から見て可愛いと思わずにいられません。まるで、自分が主人公に恋しているような気を起こさせます。

“当たり前の体験”を“ごくありきたりな少女”を登場させることによってインパクトの強い恋愛小説に仕上がってます。

読後感もよく、たとえ郁クンと別れても主人公がこのあとハッピーな人生を送れるように拍手を送りたい気分に強くさせてくれました。

タイトルの“無花果日誌”のネーミングにも感心しきり状態です。そうそう、亡くなった母親との親子愛も上手く表現している事を付け加えておきます。

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