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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
多彩な登場人物が、刑法の矛盾点にからんで演ずる人間ドラマ,
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レビュー対象商品: 無痛 (幻冬舎文庫) (文庫)
本書は、『廃用身』、『破裂』に次ぐ、久坂部羊(くさかべよう)の3作目の長編小説である。前の2作がともにテーマ性のある小説だったのと同様、今回のメインのテーマは刑法第39条の「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を軽減する」という規定である。
神戸の閑静な住宅街で一家4人が殺害される。犯罪現場は凄惨で、その手口には、人間的な躊躇はいっさい見られず、犯人には人格障害の疑いが濃厚だった。そこで本書は、上記の刑法第39条の理不尽さを問うミステリーとして開幕する。 また、本書は、登場人物も実に多彩である。人間を外側から見て、医学的徴候の診断だけでその人の健康状態や病気の進行状態を読み取ることのできる、主人公格の為頼英介をはじめとして、サナトリウムで働く臨床心理士、高島菜見子。彼女は自分の看護する14才の少女が一家4人惨殺事件の犯人だと自称していると為頼に相談する。彼女をストーキングする別れた前夫。事件を執念で捜査する早瀬刑事。為頼とおなじく、医学的徴候の解読の天才でありながら、その才能をエリート患者のための一大医療センターの形成に注ぐ白神陽児。そして、何よりもインパクトがあるのが、白神のもとで手術の器材係として働く「先天性無痛症」のイバラである。 本書は、彼らが、現代医療現場の問題点をからめながらも、刑法39条に関係し、実に複雑な、読み応えのある人間ドラマを演ずる力作である。
18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
グロテスクが過ぎてマンガチック,
By himechan.M (関東地方) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 無痛 (単行本)
久坂部先生の作品は、「廃用身」、「破裂」に続いて3作目です。
「廃用身」はテーマが重すぎたけど、それなりに考えさせられた。「破裂」は著者の言いたいことも伝わってくる上に、ストーリー性もあってバランスが取れていておもしろかった。 しかし、この「無痛」は、描写がグロテスクだが、中身がない。 それなりに先を知りたい、という気持ちにはさせてくれるが、それだけ、という感じ。 前2作がそれなりによかっただけに残念! それでも続編が出たら読んでしまうでしょうが・・・。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
刑法39条の問題について広げていくのかなと思ったら、そうでもなかった。,
By itchy1976 (福岡県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 無痛 (幻冬舎文庫) (文庫)
住宅地での一家四人殺害事件が起きた。その犯人を追及するのに障害となるのが、「心神喪失者の行為は、罰しない。心身耗弱者の行為は、その刑を軽減する。」という刑法39条である。刑事の早瀬のこの刑法39条にかかわる葛藤はわからないではない。
本書で取り上げられているテーマは、刑法39条の問題、自己中心的人間とゆがんだ愛、病院改革や医療保険制度、人間と痛みなど幅広い。刑法39条の問題について広げていくのかなと思ったら、そうではない。結局はごった煮みたいになんでも詰め込んだ感じですよね。 痛みとは、自分の痛みだけでなく相手の痛みをも感じ取れるものなんだろう。痛みとは自分が人間であるという証拠にもなるんだろう。イバラにはそれがない。それは、病気なのか。イバラを野に放ってはいけないなあと思う。 本書は630ページぐらいある長編ですが、こんなに費やす必要があるのかなという思いはある。正直な長いなあという印象がある。クライマックスは、余りにもあっけらかんとしているような気がする。 佐田の性の描写が若干直接的なのが、多少気持ち悪いなという印象がある。
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