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15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
解決なんて「無理」,
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レビュー対象商品: 無理 (単行本)
ああーっああーっとなすすべもなく読み進める感じです。県庁所在地以外の北陸・東北地方の地方都市を実によく描いてくれています。救いのない経済状況と精神荒廃の様相を。そうそう、そうなんですよ、と思いながら読みました。引きこもりの若者にしろ、詐欺商法で年寄りを食い物にするえせ企業にしろ、拝金主義の新興宗教にしろ、一つ一つが地方都市の典型的で象徴的な事象なのです。安易な不倫産業しかり、なぜかパチンコ屋だけ繁盛する光景しかり、どうしてくれるよ地方都市、という思いを100パーセント投影してくれました。どうなる、どうなる、と思って読み進めて止まりません。でも、どうなるわけもないじゃないのさ。解決策なんて、あるわけ無いじゃないですか。結末はあるものの、なんだか全く何も解決されない諸問題が、この現実にそのまま投げ出されたような感じです。鮮やかな結末とは行きませんが、解決なんて「無理」なんです。ぐいぐい読ませるリーダビリティーがすばらしい。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
未来のない街に住む人々を描いた切ないお話,
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レビュー対象商品: 無理 (単行本)
東北の地方都市「ゆめの市」は、地場の産業が衰退した活力の無い街で、本書はその街の5人の住人をメインキャラクターにして、地方都市の惨状を描いている。生活保護の審査をしている公務員、この町を出て東京の大学に行くことを夢見る女子高生、詐欺商法で金を稼ぐ元暴走族、スーパーで万引き犯の補導員をパートでしている中年女性、そして2世の市議会医院。各々の境遇は様々だが共通点は現在の自分の誰も自分の現状に満足していないことだ。例えば、公務員の男は働く気がなく生活保護の不正受給を受けようとする市民にうんざりしているし、本人も元妻の浮気が原因で離婚しており、プライベートもお寒い状況。他の4人も状況は様々ながら、仕事面も家庭面も破綻に瀕した状況にある。この5人は自分の与えられた持ち場で努力して状況を好転させようと試みるが、それが更に悲劇を呼ぶことになる。 著者はこの5人を通じて日本の地方都市の現状を描こうとしたのだろうか。これが実情だとすれば余りに暗すぎる。産業が衰退して貧しいこともあるが、そこに住む人々が生きる目的を失い、無気力になっている点が怖いのだ。物語の展開はスピーディでそれぞれのエピソードも面白くてぐいぐい引き込まれるのだが、読み終えた後には何とも言えない無力感と脱力感が残る作品であった。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
現代社会の歪み、解決の糸口なし、暗転を繰り返す!その結末は?,
By とんぼ (徳島市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 無理 (単行本)
舞台は架空の地方都市「ゆめの」。そこに暮らす5人の男女が、現代社会の歪みから抜け出せずに、止め処もなく暗転していく物語です。解決の糸口は見えません。正義も良心も見えません。もちろん、正義の味方もいません。(もし、あるとしたら読者の良心かな?)生活保護の不正受給、悪徳商法、新興宗教、古い利権がらみの地方政治など、格差社会の元で生まれた様々な事件が、いっぺんにこの地方都市で起きてしまいました。フィックションなのですが、一種の現代社会ドキュメンタリーです。ただ、なぜか、結末だけは、フィックションぽいのですが・・・また、冒頭、「生活保護費という税金のおよそ半分は、弱者を主張する働きたくない者たちに支給されている。」と、相原に断定させておきながら、もっと深いところに問題の本質があることを、物語を通して読者に示唆しています。同様に、冒頭の様々な社会問題には、発生する原因があって、現代社会には、その解決策がないから、この物語の登場人物たちのように人生が、さらに暗転していくのでしょう。 是是非で語れない現代の社会の歪みを抱えながら、物語はどんな結末に向かうのでしょう?一気に読まませてくれる作品です。
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