法廷ミステリーとか、弁護士ものというと、アメリカの小説に親しんできましたが、今回は、イタリアということで、どんな展開かと思いました。主な部分では、結構、アメリカの、たとえばフィリップ・マーローと近いかんじがあります。でも、細かいところでは、たとえば、海辺で昼寝をしてさぼることができたり、古いエレベーターが二重扉だったり、バールで強いエスプレッソがあたりまえで、デ・カフェのコーヒーを頼むは、イタリアでは男として恥ずかしいことなど、ヨーロッパならではのさまざまなデティールが語られます。物語の発端である殺人事件をめぐる事件の基底には、アフリカ系移民についての人種差別があったりするところがしっかり描かれいます。主人公の暗い悩みは、本人の個人のものだけではなく、我々の今日の問題なのだろう、という共感を覚えました。