最近大切な人を亡くしました。この作品はかなり前に読みました。自分を追い込み、そのなかでしか生きられない直江にその人を重ねます。直江が死を覚悟した姿は悲しく、でも美しくも感じました。医師としての功績、子孫、何かをのこすこと、人の一生にはどんな意味があるのか考えてしまいます。亡くした彼も渡辺淳一の作品は学生時代によく読んだとのことで、私が読んでいるのを見て、直江が痛みを紛らすためにかお酒を飲む姿に対して、「酒はかえって痛みが増すんだよな」と言っていたことをつい思い出します。作品の中だけでなく私の中でも、医師直江の存在が亡くなった彼の姿と重なってずっと生き続けている感じがします。しばらくぶりにまた読もうと思います。