これは野村克也の自叙伝であり、生きる知恵に満ちた名著です。
野村の「月見草」という愛称も、長嶋の「ひまわり」と対象的な花を自ら例えたもの。
常に長嶋および巨人を仮想敵とし自分もチームも鼓舞してきた。
その生き方をコンプレックスの裏返しとか、根暗、皮肉屋と断ずるのは浅はか。
多くの人が長嶋のような恵まれたスターではない。
無いものだらけの底辺から、
自らの周りにある一木一草一石を武器に磨きあげ、
一歩ずつ積み上げてきた野村の心中を思うと涙を禁じえない。
落ち込みそうなときに繰り返し読み、大きな勇気を与えてくれる本だ。