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その原因は、獄中死するこの作品の主人公、ジャッコのキャラクターに負うところが大きい。生来の救いようのない問題児で、一家の鼻つまみ者のジャッコが無罪となり、かりそめの平和に浸っていた善良なる一家の中に犯人がいるというこの作品の展開とその結末が、読者の共感を得にくいということは、容易に想像できるのだ。
それでは、アガサが、この作品に、それほどまでに深い思い入れを寄せる理由は、一体、何だったのだろうか?アガサ自身は何も語っていないが、思うに、おそらく、この作品には、アガサが伝えたかったメッセージがたっぷりと込められているからなのだろう。それは、「まことの愛とは」である。養子として迎えた子供たちに溢れるほどの愛情を注ぎながらも、彼らからの愛情は得られなかった被害者。愛し合いながらも、お互いに、相手が犯人ではないかと疑心暗鬼に陥る容疑者たち。この作品には、そんな彼らの描写を通して、「愛とミステリの作家」アガサの本領が、確かに、存分に発揮されているのだ。
ちなみに、この作品には、本編のどんでん返しとともに、「まことの愛」にもどんでん返しが用意されている。
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