このエッセイは、向田さんの小説でも見受けられる鋭い観察眼で描かれています。その鋭さが、他人は元よりご自分にまでしっかり向けられ、冷静に自分を判断されているところが、すごいところだと思います。1つ1つテーマ毎に、よくこんなにエピソードがあるなぁと感心してしまいます。まるでお笑いのネタじゃないの?と思うような話もありますが、そこは「事実は小説より奇なり」と言う言葉そのままに、タイトル通り有名人から無名の人まで、人って面白いなぁと思わせるエピソード満載のエッセイになっています。時折出てくる飼い猫のエッセイが好きです。ちょっと辛口な言いっぷりにもユーモアがあります。しかし普通だったら見落としてしまうような部分をきっちりと捉えられている点、ちょっと怖いです。