この本のどこがいいかって、まず、根性の曲がった野郎が出てこないところ。
16人の海の男たちが、それぞれ自分の持てる力を出し合って、協力し合って、
助けが来るまでの日々(といっても、確実に助けが来るという保証はない!)を、
あくまでも前向きに生き抜いていく姿は、非常に気持ちのいいものがあります。
無人島で孤立無援の状態でありながら、
日本男児として恥ずかしくないように、規律を守り、お互いを尊重し合って生きる姿。
悲観的になったり自暴自棄になったりしかねない状況の中で、
陰謀も策略も、騙し合いも出し抜き合いもなく、
みんな仲良く、明るく困難に立ち向かう姿。
元気のない人がいたら、さりげなく励ましたり、
あるいは、新しい仕事を与えて、やる気を出させたり。
また、日々、感謝を忘れず、
日本列島のあるほうに向かって、日本の神々に対して手を合わせたり。
文章もとても読みやすくて、たぶん子供でも読めるのではないでしょうか。
ひらがなも多いし。
文体自体が、明るくユーモラスなので、
多少悲惨な状況でも、暗くなく、楽しく読めます。
本当に、子供の頃に冒険小説を読んでワクワクしていた時の感じ。
心あたたまる、かつ、スカッとさわやかな一冊です。