人間が人間として生きるための方法として、福岡正信は明快な解答を示している。それは「自然に還れ」である。
たとえば最初の一説を挙げてみると、人は「寒い」という感覚を気づかないうちに持っているが、それは衣をまとったり暖をとることによって「寒さ」を知ったのである。すべては表裏一体なのだ、ともいう。
和辻哲郎の『風土』を思わせる内容で、「自然と向き合う自分」というものを考えさせられる。
また、「私」と「山の老人」という一般人と哲学者を会話させることによって、真の価値とは何かと教えられる。自分が何か迷っているときに読むと、指標になってくれるような本である。