坂本龍一氏の描く箏協奏曲の世界。
氏の書いた楽章構成のオーケストラ曲と言えば、97年発売の『Discode』が思い出されますが、そのアグレッシブな内容と比べて、今作は全楽章がアンビエントな雰囲気で作られています。
多様な作風を持つ教授ですが、今作の方向性としては、映画音楽やCM音楽のサウンドとは異なり、多分に電子音楽に寄った作品となっています。これまでの作品からイメージすると、「fennesz + sakamoto」の音楽をオーケストラに落とし込んだという印象でしょうか、アンビエントな雰囲気のオーケストラが鳴り響き、その上に、箏が断片的な旋律を重ねていきます。タイトルの『点と面』のとおり、箏は点描的に、オーケストラはドローンとして用いられています。
ポピュラーな方向性を持つ作品ではありませんが、音楽的な内容は非常に充実しておりますし、教授ファン、中でも電子音楽系の作風がお好きな方にはおススメできる一枚です。
グバイドゥーリナの作品も、アカデミックなフィールドで活躍する現代音楽作曲家の作品ではありますが、聞きづらいところはなく、アンビエントミュージックのような性格を持つ作品ですので、教授の作品に抵抗が無いリスナーであれば充分にたのしめる内容となっております。
私自身、氏のアルバムは多数聴いておりますが、その中でも本作はかなりお気に入りの一枚になりました。